評     価  

 
       
File No. 0011  
       
製作年 / 公開日   1982年 / 1982年04月17日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   大林 宣彦  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   あるべきモノがない ないはずのモノがある だれにも話せない2人のひみつ  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   尾美 としのり [as 斉藤一夫]
小林 聡美 [as 斉藤一美]
佐藤 允 [as 一夫の父]
樹木 希林 [as 一夫の母]
岸部 一徳
秋川 リサ
入江 若葉
 
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あ ら す じ    尾道のとある中学校に転校してきた斉藤一美は、クラスの中に幼なじみの斉藤一夫を見つける。一夫と一美は久しぶりに2人で下校するが、途中で神社の石段から転げ落ちた拍子に、お互いの体が入れ替わってしまう。
 中身が入れ替わったとはいうものの外見は全く以前通りで、2人が入れ替わったことには周囲の誰も気がつかない。仕方なく2人はお互いの家や家族、友達まですべてをそっくりそのまま取り替えて暮らすことにする。急に弱々しい性格になってしまった一夫(中身は一美)と男勝りの性格の一美(中身は一夫)。2人は男と女の性の違いに戸惑いながらも、何とか生活になじんでいった。
 ところが、そんなある日一夫の父親の仕事が認められ、一夫の一家は近いうちに横浜へ引っ越すことになったからさぁ大変。このままで一夫の一家が引っ越しては、一生元に戻れないかも知れないのだ・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『時をかける少女』『さびしんぼう』とで“尾道3部作”と呼ばれる、大林宣彦監督のシリーズ第1作目。モノクロのシーンから始まり、ふたりが入れ替わってから初めてカラーとなるのだが、そんなことを知らずに観た私は、「今時なぜモノクロ?」と面食らったのを覚えている。坂道の街ともいうべき尾道の景観は、瀬戸内海をバックにした映像も含めて美しく、どこか郷愁を誘うようなもの悲しさが感じられる。
 一夫と一美の中身が入れ替わってからのふたりは、ナヨナヨとして文字通り女々しい尾美としのりに、本当に男の子みたいな小林聡美と、本当に一美が男で一夫が女の子のように思えるような2人の演技があってこその作品。特に、当時17歳の少女である小林聡美は、ちょっと大胆なシーンにも物怖じせずに演じていて、映画初主演のこの作品だけでも既に演技派女優の片鱗がうかがわれる。ラストの切なさも相俟って、青春映画の金字塔とも言うべき作品だ。
 ちなみに私たぴおかは、3部作の第1作と第3作目は何度観たか忘れるほどビデオやDVDで繰り返し観ているが、第2作目の『時をかける少女』は1度も観ていない。単に原田知世が嫌いだというのもあったし、加えて原作が筒井康隆というのも気に入らなかったのだが・・・・・もしも主演が原田知世じゃなかったら、大林監督作という点に惹かれて、間違いなく劇場で観ていただろう。