評     価  

 
       
File No. 0013  
       
製作年 / 公開日   1979年 / 1979年12月25日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   宮崎 駿  
       
上 映 時 間   100分  
       
公開時コピー   生きては還れぬ謎の古城でついにめぐり逢った最強の敵!  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト
 (声の出演)
  山田 康雄 [as ルパン三世]
小林 清志 [as 次元大介]
島本 須美 [as クラリス]
増山 江威子 [as 峰不二子]
井上 真樹夫 [as 石川五右ヱ門]
納谷 悟朗 [as 銭形警部]
石田 太郎 [as カリオストロ伯爵]
宮内 幸平 [as 元庭師の老人]
永井 一郎 [as ジョドー]
山岡 葉子 [as ウェイトレス]
常泉 忠通 [as グスタフ]
梓 欽造 [as 大司教]
 
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あ ら す じ    ルパン三世とその相棒の次元大介は、某国の国営カジノの金庫から金を盗み出す。しかし、それは幻のニセ札と呼ばれたゴート札だった。2人は次の標的をゴート札に定め、その謎を解くためにカリオストロ公国へと向かうのだった。
 カリオストロ公国に着いた途端、ウエディングドレスの女性が運転する車を黒服の男たちが乗る車が追うシーンに遭遇し、ルパンは女性を助けようとするが、結局女性は黒服の男たちに奪われてしまう。その女性が残した山羊の指輪を見たルパンは、彼女がカリオストロの王女クラリスであることに気づく。そして、クラリスを救い出すためにカリオストロ伯爵の城へ侵入するのだった。
 ルパンは警戒の厳重な城へ忍び込むために、日本から五右ヱ門を呼び寄せると同時に、花嫁誘拐の予告をすることによって銭形警部をもまた公国へ誘い出す。そして、城に侵入したルパンは、ルパン同様にゴート札を狙い城を調べる峰不二子に遭遇する。不二子からクラリスの居場所を聞き出したルパンはクラリスを助け出そうとしたが、カリオストロ伯爵の罠にはまり城の地下に幽閉されてしまう。
 そこには、やはり落とし穴から転落させられた銭形警部がいた。そして、周囲にある無数の亡骸は、皆ゴート札の謎を知ろうとして息絶えた人たちだった。一時休戦し協力して地下を脱出したルパンと銭形は、ついにニセ札作りの心臓部を見てしまうのだった ・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『スティング』のコメントにも書いたとおり、学園祭で上映されたのを観て、すっかりハマってしまった作品。実は『ルパン三世』の劇場作品は『バビロンの黄金伝説』1本しか観たことがなく、それが面白く思えなかったために、以後ルパンからは離れていた。だから、この作品の初見は一応劇場にしてあるが、厳密に言えば場所は大学の大講堂で、劇場公開から6年経過した1985年の秋になってからの鑑賞、ということになる。
 宮崎駿監督の劇場デビュー作品で、ルパン三世の劇場版は作画がそれぞれ異なるのだが、宮崎監督はルパン三世の旧作TVシリーズにも携わっていたために、この作品に対しては何の不自然さも感じることなくすんなりと入り込めたのは助かった。ちなみに、『ルパン三世』の旧TVシリーズの、第10話『ニセ札つくりを狙え!』と第21話『ジャジャ馬娘を助けだせ!』がモチーフとなっているようだ。
 とにかくクラリスが可愛いくて、あの五右ヱ門でさえ思わず「可憐だ」とこぼしてしまうほどで、私は宮崎監督の劇場作品中最高のヒロインは、間違いなくクラリスだと思っている。次元、五右ヱ門、不二子のルパンファミリーに銭形警部と、変わることのないメンツが大暴れするこの作品、その全員が無駄なく役割を与えられていて、ただ「ファミリーだから」と言う理由だけで大した役割もないのに登場しているキャラがいないのがいい。
 ラストのルパンがクラリスに別れを告げるシーンは、何度観ても胸にこみ上げてくるものがある。「泥棒はできないけど覚えるから、私を連れて行って」と懇願するクラリスに対し、必死の思いで彼女を振り切るルパン。また、ルパンが逃げた後を追ってきた銭形が「あの方は何も盗んでいない」というクラリスに対して、「いいえ、奴はとんでもない物を盗んでいきました。あなたの心です」と言った銭形の台詞、さらにそれに対してハッキリと「はい」と答えたクラリス。心に焼き付く名シーンのひとつだろう。