評     価  

 
       
File No. 0017  
       
製作年 / 公開日   2003年 / 2003年07月19日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   本広 克行  
       
上 映 時 間   138分  
       
公開時コピー    

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   織田 裕二 [as 青島俊作]
柳葉 敏郎 [as 室井慎次]
深津 絵里 [as 恩田すみれ]
水野 美紀 [as 柏木雪乃]
ユースケ・サンタマリア [as 真下正義]
いかりや 長介 [as 和久平八郎]
真矢 みき [as 沖田仁美]
筧 利夫 [as 新城賢太郎]
神山 繁 [as 吉田敏明]
岡村 隆史 [as 増田貴一]
北村 総一朗 [as 神田署長]
小野 武彦 [as 袴田健吾]
斉藤 暁 [as 秋山副所長]
 
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あ ら す じ    湾岸所管内で家族によるスリ事件と女性に噛みつき逃げるという事件が連続していたある日、通報によって駆けつけた青島俊作は紐で縛られた男性の他殺死体を発見した。例によって湾岸署に捜査本部が設置されるが、捜査本部長に抜擢されたのは室井慎次ではなく女性キャリアの沖田仁美で、室井は沖田のサポート役に甘んじていた。しかし、所轄を道具として扱う沖田の指揮の下捜査は遅々として進まず、それをあざ笑うかのように第2の殺人事件が発生する。
 恩田すみれの機転により犯人の逃走ルートが判明するが、現場に向かったすみれは青島の目の前で柏木雪乃を拉致した犯人に撃たれてしまう。動揺した沖田に本庁への帰還命令が下され、室井が代わって指揮を執ることになった。室井の指揮のもと事件は急転直下解決へと向かう ・・・・。
 
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たぴおか的コメント    これは・・・・・駄目でしょう。2003年の興行成績No.1にしてワースト映画と言っていいかも。これがアメリカだったら、おそらくはラジー賞を総なめしたかもしれない、そう思えるほどの体たらくだった。こんな作品がロングランを記録して、他の秀作が劇場で上映される機会を縮小するとは、日本の映画ファンと邦画の行方には不安を感じずにいられない。いや、もしかしたら多くの映画ファンは私と同じ思いを抱いているのかもしれず、嘆かわしいのは普段は映画にあまり興味のない層が、話題に乗り遅れまいとばかりに劇場に押しかけて、果てはリピーターとなってのロングランなのかもしれないが。
 まるでお伽噺を見せられているような現実感の欠如、歯切れの悪いダラダラとした展開、そして、私が何よりも面白いとは思えないのが、神田署長・秋山副所長・袴田課長の3名による3アミーゴズで、下らない小ネタは本当にやめにしてもらいたいと思う。たとえそれが『踊る大捜査線』を構成する欠かすことができないパーツだとしても、だ。ちなみにこの作品、アメリカでも公開されるようで、私にしてみれば日本の恥を海外でさらすような行為だと思うのだが、それはともかく米国向けに製作されたポスターには彼ら3人が載っていなくて、実際に彼らが登場するシーンもカットされているとか。あまりに日本独特の性格が強い3人によるネタは、アメリカ人受けがしないだろうという配慮のようなのだが、日本人が観ても万人受けする要素とは思えないけどね。
 また、ナイナイの岡村隆史がこの作品に出演するにあたり、「史上最悪の犯人」などと言って宣伝していたが、蓋を開けてみれば・・・・・多くは語りたくないのだが、これも3アミーゴズ同様に全くの不要キャラ、まさに蛇に脚を付けた“蛇足”そのものの設定で、正直目を覆いたくなった。それ以外にも、日本の警察組織では女性は不要だと言わんばかりの女性蔑視とも受け取れる、そして柳葉敏郎扮する室井を引き立てる意図がミエミエ過ぎるな真矢ミキ演じる沖田仁美の無能ぶり、警官としてあり得ないいかりや長介演じる和久の単独行動など・・・・・う〜ん、あまりに酷すぎる。だったら、それら余分な贅肉をそぎ落としたらいいのでは?とも思うのだが、そうするとあまりに貧相で中身がないことに気づくはずだ。