【File No.0076】

製作年／公開日 1996年 ／ 1997年01月 製　　作　　国 アメリカ 監　　　　　　督 トム・ホランド 上　映　時　間 92分 公開時コピー 　　　 最初に観たメディア 　Theater 　Television 　Video キ　ャ　ス　ト 　ロバート・ジョン・バーク ［as ビリー］ 　ジョー・マンテーニャ ［as ジネリ］ 　マイケル・コンスタンティン ［as レムキ］ 　ルシンダ・ジェニー ［as ハイディ］ あ　ら　す　じ 　肥満に悩んでいた弁護士のビリーは、マフィアのジネリの弁護に成功した夜、酔って車を運転しジプシーの老女をはねて殺してしまう。彼は身の保全を図るため旧知の警察署長と判事に頼んで事故を揉み消す。しかし、ビリーの前に殺された老女の父であるジプシーの長老レキムが現れ、ビリーの頬をなでて「痩せていく」と言い残すと、ビリーは翌日から痩せ始めた。最初はダイエットが成功したと思い込むが、いくら食べても体重は減り続けた。事故を揉み消した判事はトカゲのような鱗に覆われ、署長も顔が醜く変貌しそれぞれ自殺した。それがジプシーの呪いと知ったビリーはレキムに呪いを解くよう頼むのだが、レキムは受け入れない。ビリーはマフィアのジネリに頼んでジプシーたちに復讐を始めるのだった。 　ビリーの復讐に嫌気がさしたレキムが現れ、ビリーに呪いを解くパイを渡す。そのパイを誰か殺したい人に食べさせなければならない。妻のハイディが医師のマイクと浮気をしたと思い込んだビリーは、パイを彼女に食べさせたのだが・・・・・。 たぴおか的コメント 　原作はあのスティーブン・キングで、自ら医師役で作品中に登場している。ホラーといっても、やたらと人が死んだり血が飛び散ったりという視覚からくる恐怖ではなく、彼の作品は心理的な恐怖の描写に長けているのが特徴だ。主人公のビリーが妻の不倫疑惑に疑心暗鬼となり、彼と共に事故を隠蔽した判事と警察署長の死により狂気へと追いつめられていく。そして、その狂気はやがて両刃の剣と化して彼自身を傷つけるのだ。ジプシーのレキムは、彼に「綺麗な心で死ね」と言うが、もはや正常な判断を失ったビリーには届かない。妄執にとりつかれた人間の悲しい性なのだろう。