評 価
File No.
0175
製作年 / 公開日
2000年 / 2001年04月28日
製 作 国
アメリカ
監 督
ブレット・ラトナー
上 映 時 間
125分
公開時コピー
あのとき「YES」とこたえていたら、ふたりはどこにいたのだろう。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ニコラス・ケイジ
[as ジャック・キャンベル]
ティア・レオーニ
[as ケイト・レイノルズ/ケイト・キャンベル]
ドン・チードル
[as キャッシュ]
ジェレミー・ピヴン
[as アーニー]
ソウル・ルビネック
[as アラン・ミンツ]
ジョセフ・ソマー
[as ピーター・ラシター]
マッケンジー・ヴェガ
[as アニー]
ジェイク・ミルコヴィッチ
[as ジョシュ]
ライアン・ミルコヴィッチ
[as ジョシュ]
リサ・ソーンヒル
[as イヴリン]
ハーヴ・プレスネル
[as ビッグ・エド]
メアリー・ベス・ハート
[as アデル]
アンバー・ヴァレッタ
[as ポーラ]
フランシーヌ・ヨーク
[as ロレイン]
ルース・ウィリアムソン
[as ピーターソン夫人]
ジョン・オドナヒュー
[as トニー(ドアマン)]
ダニエル・ホイットナー
[as フランク(警備員)]
ジョエル・マッキノン・ミラー
[as トミー]
ケイト・ウォルシュ
[as ジーニー]
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あ ら す じ
1987年。空港で引き留める恋人
ケイト・レイノルズ
を振り切って、ロンドンのバークレー銀行での研修に旅立った
ジャック・キャンベル
。それから13年経った今、ケイトと訣別した代償にマンハッタンで大手金融会社の社長として大成功を収めたジャックは、欲しい物は何でも手に入る自由気ままな独身生活を送っていた。クリスマス・イブ。そんなジャックの元に、突然ケイトから連絡して欲しいとの電話が入る。けれども、ジャックはケイトの伝言を無視して帰宅の途につくのだった。
途中スーパーに対ちょったジャックは、黒人青年
キャッシュ
が宝くじの換金でモメるのを見て、キャッシュから宝クジ券を買い取るはめになる。そして、ジャックは真面目に働くことが必要だとキャッシュに忠告したところ、「あんたこそ何か必要だろう」と逆にキャッシュに問い返さる。「全部ある」とジャックが答えると、キャッシュは「これから起こることは、あんたが招いたことだ」と謎の言葉を残して去っていく。その晩、いつものように眠りについたジャックは、翌日のクリスマスの朝、全く見知らぬニュージャージー郊外の家のベッドで目を覚ました。
同じベッドには13年前に別れたきりだったはずのケイトが眠っており、娘の
アーニー
が彼を起こしに来た。ジャックはその状況を理解できずに唖然とするしかなかった。その世界での彼は、ボランティアで弁護士をするケイトと長女のアーニー、そして長男の
ジョシュ
の2人の子供と暮らし、ケイトの父
ビッグ・エド
の店でタイヤをセールスするファミリー・マンだったのだ。
初めは元の世界に戻りたいと願うジャックだったが、次第にケイトへの愛を思い出し、今まで忘れていた人間らしい素直な感情が平凡な生活によって芽生えてくる。そしてその世界、愛する妻と愛する子供たちが彼にとって何よりもかけがえのない物で、決して手放せない物だとわかった時、再びあのキャッシュが彼の前に現れる。
「答えは出たか?」と尋ねるキャッシュに、ジャックは元の世界には戻らないと断言する。しかし、それは叶わぬ願いだとジャックにはわかっていた。帰宅したジャックは、先に休んだケイトの寝顔を見つめながら、やがて眠りに落ちてしまう。それがその世界との別れとなるとわかっていながら。
目が覚めると元のマンションのベッドの上だった。ところが、彼が戻ったのは、別の世界へと旅立ったクリスマス当日の朝だった。ジャックは現在のケイトの連絡先を調べ、早速彼女に会いに行く。ジャックは13年ぶりに再会したケイトが結婚していなかったことにホッとしたがそれも束の間、彼女は仕事でパリの弁護士事務所へ引っ越しする荷造りの最中だった。「結婚してたらって考えたことは?」とケイトに尋ねるジャックだったが、ケイトはそれには答えずに荷造りの作業に戻ってしまう。空しくケイトの事務所を後にするジャックだったが、急遽仕事の予定ををキャンセルしてケイトに会うために空港へと一人向かうのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
天使のキャッシュによって違う世界に連れて行かれるまでの運びがちょっと雑なような気もするが、それ以外は文句なしに良かった。そして、ティア・レオーニ扮するケイトが最高に美人でそのうえ可愛い。彼女、ロングヘアよりもショートカットの方が絶対に似合ってると思う。
現在の生活で足りない物はないとキャッシュに対して言い切ったジャック。そんなジャックを、キャッシュはなぜ違う世界へと連れて行ったのか?ジャックが宝くじを買い取って仲裁してくれたことへの恩返しなのか、それとも必要な物はすべてあると答えた傲慢さをたしなめるためなのか。まぁ、そんなことはどちらでもいいことで、別の世界へ連れて行かれたジャックは、初めて自分に何が欠けていたかを知ることになる。
確かにお金はあった方が幸せになれる(それが資本主義社会の仕組みだから)とは思うが、かといってお金がなければ幸せになれないかというと、それは絶対に「否」だ。人は決して独りでは生きていけない。そして、自分のためにする努力よりも、大切な誰かのために払う努力の方が遙かに貴重なものなのだし、お金だった自分のために使うよりも、大切な誰かのために使う方がいいに決まっている。だが、その対象が存在しないジャックにはそのことがわからなかったのだ。
しかし、違う世界へ連れて行かれたジャックは、今までの自分の生活に欠けていた物がいかに大切でかけがえのない物だったかを初めて知る。それはもちろん愛するケイトであり、彼が初めて接する娘のアーニーであり、息子のジョシュであり、そして、彼らに包まれた生活そのものなのだ。最初の頃のジャックは大金を払ってでもキャッシュに元の世界へ戻すよう頼んでいたが、おそらく自分には足りなかった大切な物を知ったジャックは、逆に全財産を失ってでも、家族といられる世界にとどまりたかったに違いない。
エンディングはこれからの物語を予感させる気持ちのいい終わり方で、その後をハッキリと描かずに観る者の想像に委ねているのも、深い余韻を残すことにつながっている。物質的に満ち足りた人間がついつい忘れてしまう精神的な幸せ。全ての努力は、そういったお金では買えない精神的な幸せを求めるために払われるべきなのだろう。何度も繰り返し観たくなる、心温まる秀作だ。