評 価
File No.
0250
製作年 / 公開日
2004年 / 2005年05月03日
製 作 国
アメリカ
監 督
ブラッド・シルバーリング
上 映 時 間
109分
公開時コピー
幸せだった三姉弟妹を次々と襲う、最悪の不幸がはじまる
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
ジム・キャリー
[as オラフ伯爵]
エミリー・ブラウニング
[as ヴァイオレット・ボードレール]
リーアム・エイケン
[as クラウス・ボードレール]
カラ・ホフマン
[as サニー・ボードレール]
シェルビー・ホフマン
[as サニー・ボードレール]
メリル・ストリープ
[as ジョセフィーンおばさん]
ティモシー・スポール
[as ミスター・ポー]
ビリー・コノリー
[as モンティおじさん]
ルイス・ガスマン
[as 禿げ男]
ジェニファー・クーリッジ
[as 白い顔の女]
キャサリン・オハラ
[as ストラウス判事]
セドリック・ジ・エンターテイナー
[as 警官]
ジェーン・アダムス
[as 白い顔の女]
クレイグ・ファーガソン
ジェイミー・ハリス
ダスティン・ホフマン
[as 評論家]
ジュード・ロウ
[as レモニー・スニケット]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
発明好きの
ヴァイオレット
、読書家の
クラウス
、噛むことが大好きな
サニー
は、裕福なボードレール家の3姉弟妹。ある日、火事によって愛する両親を失った3人は、遠縁の
オラフ伯爵
に預けられる。ところがオラフ伯爵は、後見人手続きが終わった途端、遺産目当てに3人の暗殺を企てる。3人はこの危機を知恵と勇気で逃れ、親権を剥奪された伯爵の手から、別の親戚へ預けられることになる。
次に3人が預けられたのは、ハ虫類好きの
モンティ
の家だった。しかし、ここにも強欲なオラフ伯爵が変装をしてステファーノと名乗って現れる。まんまとモンティの助手として住み込むことになったオラフは、再び3人を奪い返す機会を狙うのだった。そして、3人がモンティに連れられてペルーに旅立つはずだった日の朝、モンティが蛇に噛まれて亡くなってしまう。それはすべてオラフ伯爵の工作だったが、悪事がばれそうになったオラフはすぐさま姿を消してしまう。
3度目に3人が預けられたのは、海岸の断崖の上の家に住む
ジョセフィーン
の家だった。しかし、ここでも3人の前に現れるシャム船長と名乗る男は、またしてもオラフの変装だった。ジョセフィーンはオラフを恐れるあまり、3人をオラフに渡してしまう。
3人が死んだとしても、血縁者か3人の誰かと結婚した者でなければ資産を受け取る資格がないことを知ったオラフは、今度は14歳のヴァイオレットとの結婚を企てるのだった・・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
全編がセピア色に包まれた、ちょっと幻想的な物語。両親を亡くしたボードレールの3人の姉弟妹が、冷酷で自分のことしか考えないオラフ伯爵の魔手から逃れるというお話だが、この手のストーリーを描く場合に2通りの方法があると思う。一つは、とにかく次々と不幸に見舞われる3人を本当に不幸に描き、冒頭のナレーションにもある通り席を立ちたくなるほど酷い作品にすること。もう一つは、不幸に見舞われても自分たちの知恵と力でそれを乗り切っていく3人の成長を描く作品にすることだ。
そしてどうやら、この作品の場合は後者の立場に立ったものであり、そういう意味ではオラフ伯爵は本当に極悪人である必要はなく、ジム・キャリーのどこか滑稽でもあるオラフ伯爵が似合っているのではないか。とは言うものの、オラフが本当にイヤな奴では済まされないほど極悪人で、もしこの作品で初めてジム・キャリーを知った人は、彼を卑劣な悪役専門の俳優だと誤解しかねない。それにしてもこの作品での彼は、オラフ伯爵、ステファーノ、シャム船長と、化けること化けること。声の出し方もいつもの彼とは全く違うし、まったく大した役者だとつくづく感心する。
この作品での最大の収穫と言えば、何と言っても長女のヴァイオレットを演じたエミリー・ブラウニングの反則的なまでの可愛らしさだ。美人だが冷たさが感じられない、非常に柔和なそのルックスを見ていると、ついつい3人の不幸せも忘れてしまいそうになる。
この作品で、タイプライターを叩きナレーションを語るのレモニー・スニケット役を演じていたのがジュード・ロウだったとは、エンドクレジットを観てやっとわかった。確かに思い返してみればジュード・ロウの声だとわかるのだが、作品中ではシルエットでの登場がほとんどで、顔をハッキリと見ることができないから。