File No.0301
製作年/公開日 2004年 / 2005年07月09日 製  作  国 ドイツ / イタリア
監      督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル 上 映 時 間 155分
公開時コピー  彼の敵は世界  全てを目撃した秘書が今明かす、衝撃の事実。
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 ブルーノ・ガンツ [as アドルフ・ヒトラー]
 アレクサンドラ・マリア・ラーラ [as トラウドゥル・ユンゲ]
 ユリアーネ・ケーラー [as エヴァン・ブラウン]
 トーマス・クレッチマン [as ヘルマン・フェーゲライン]
 コリンナ・ハルフォーフ [as マグダ・ゲッベルス]
 ウルリッヒ・マテス [as ヨーゼフ・ゲッベルス]
 ハイノ・フェルヒ [as アルベルト・シューペア]
 ウルリッヒ・ノエテン [as ハインリヒ・ヒムラー]
 クリスチャン・ベルケル [as シェンク博士]
あ ら す じ  1942年、トラウドゥル・ユンゲは数人の候補の中からヒトラー総統の個人秘書に抜擢された。 そして、3年後の1945年4月20日、ソ連軍の砲火が押し寄せるベルリン。ヒトラーとその側近たちは、総統官邸の地下要塞に避難していた。
 もはや敗戦を疑う者はいなかったが、正常な判断力を失ったヒトラーは、わずかに残った軍勢に戦況の挽回を命じ、惨状をさらに悪化させてゆく。民兵は武器も持たずに立ち向かい、戦争に参加しない市民は親衛隊に射殺されていく。狂気の独裁者を前に、選択を迫られる側近たち。最期まで運命をともにしようとする者、袂を分かって逃亡を謀る者、酒と享楽に溺れて現実逃避する者。
 そんな一部始終を間近で目撃していた総統付き秘書のユンゲは、ある日、ヒトラーから遺書の口述筆記を依頼される・・・・・。
たぴおか的コメント  原題の“DER UNTERGANG”とは、ドイツ語で「没落」「破滅」「滅亡」を意味する。その通り、実際にヒトラーの秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの目を通して、歴史的な独裁者・ヒトラーの知られざる一面を描いた力作。あくまで描く側の主観を排除し、客観的に淡々と、第二次大戦末期にヒトラーが狂気に蝕まれていく様が描かれており、観客に主観を押しつけようとしない描き方に好感が持てる。アドルフ・ヒトラーという史上最大の犯罪者の人間性を描くことはタブーとされていたのだが、そのタブーを敢えて当事者国であるドイツが破った点が特筆される。果たして日本の映画会社にこのような作品を作れるかと考えると、興行利益第一の商業主義の日本では史実を忠実に再現することで歴史を再考させるような作品の制作は難しいように思える。この手の歴史的作品を観に来る観客は少ないのでは?という予想を遙かに上回る観客動員だったのは救われる気がする。客層も先日の『千年湖』のようにある特定の性別・年齢層に限られておらず、文字通り老若男女が集まっていた。