評     価  

 
       
File No. 0306  
       
製作年 / 公開日   2005年 / 2005年12月10日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ロブ・マーシャル  
       
上 映 時 間   146分  
       
公開時コピー   絢爛
無垢
毅然
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   チャン・ツィイー [as さゆり]
渡辺 謙 [as 会長]
ミシェル・ヨー [as 豆葉]
役所 広司 [as 延]
桃井 かおり [as おかあさん]
工藤 夕貴 [as おカボ]
大後 寿々花 [as 千代(少女時代のさゆり)]
ケネス・ツァン [as 鳥取少将]
コン・リー [as 初桃]
 
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あ ら す じ    貧しい漁村に生まれ、9歳で花街の置屋に売られた少女千代。そこには、千代と同じ境遇のおカボという少女と、花街一の売れっ子芸者初桃がいた。下働きの辛さと初桃の執拗ないじめに希望を見失いかけていた千代に、ある時会長と呼ばれる立派な紳士が優しく声を掛ける。この一瞬の出会いが千代に確かな希望をもたらした。
 以来、芸者になって会長にもう一度逢いたいと夢見る千代。15歳の時、そんな千代に転機が訪れる。一流の芸者豆葉が千代を芸者として育てたいと申し出たのだった。そして、豆葉の厳しい指導の末に千代は芸者“さゆり”となり、やがて花街一の芸者へと花開いていくのだった。
 ある時、さゆりは豆葉に連れられ相撲を観に行き、そこで会長と一緒にいたを紹介される。芸者嫌いの延もさゆりにだけは心を開くようになり、それに応じて会長との距離が隔たっていくのを感じるさゆり。そして、日本の太平洋戦争敗戦はさゆりの周囲の人々の運命を大きく揺り動かすのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    日本を描いたハリウッド作品としてはかなり良くできていると感じた。ただし、あくまで「アメリカ人が作ったにしては」上出来だという意味で、日本人が作ったら決してこうはならなかっただろう。舞台は祇園の花街なので、五重塔や伏見稲荷が登場するのはわかるが、なぜに長崎のめがね橋が登場するのか?といった点や、街の雰囲気がどうしても日本だと感じられない点など、細部には違和感が残る。また、セリフが和洋折衷で、通常の会話はすべて英語なのだが「ごめんください」「ありがとう」「おかあさん」「お姐さん」などという単語は日本語がそのまま使われていたりする。
 チャン・ツィイーら中国の3大女優も良く勉強したとは思うが、日本人特有の控えめさや、花街で生きる女性の陰影を演じ切れているとは言えない。揚げ足を取るようなことばかりを書いたが、2時間半に及ぶ長さが全く気にならずアッという間に過ぎてしまった。もちろんチャン・ツィイーは相変わらず美しいのだが、さゆりの子役を演じた大後寿々花が非常に印象的で今後が期待できる女優だ。