【
File No.0382
】
製作年/公開日
2006年 / 2006年09月16日
製 作 国
日 本
監 督
佐々部 清
上 映 時 間
121分
公開時コピー
1945年、夏
それでも青春だった。
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
キ ャ ス ト
市川 海老蔵
[as 並木浩二]
伊勢谷 友介
[as 北勝也]
上野 樹里
[as 鳴海美奈子]
塩谷 瞬
[as 伊藤伸夫]
柏原 収史
[as 佐久間安吉]
伊崎 充則
[as 沖田寛之]
黒田 勇樹
[as 小畑聡]
平山 広行
[as 剛原力]
尾高 杏奈
[as 並木幸代]
永島 敏行
[as 馬場大尉]
田中 実
[as 戸田航海長]
高橋 和也
[as 剣崎大尉]
香川 照之
[as 鹿島艦長]
古手川 祐子
[as 並木光江]
三浦 友和
[as 並木俊信]
あ ら す じ
時は1945年4月。
並木浩二
、
北勝也
、
佐久間安吉
、
沖田寛之
の4青年が一隻の潜水艦に乗り込んでいく。彼らの任務は、定員1名、脱出不可能な人間魚雷“回天”に乗り、敵艦への自爆攻撃を仕掛けることだった。野球のボールを握りしめた並木の胸に、思い出が去来する。
並木は高校時代、甲子園の優勝投手となり明治大学へ進学した。しかし、肩を痛めてしまい、それでも野球への思いを夢を捨てきれず新しい変化球に取り組んでいた。そんな折、日米が開戦する。日本の敗色が次第に濃厚となり、日本は最後の秘密兵器“回天”に戦況挽回の期待をかけていたのだ。同級生らが 次々と志願し始め、並木もついに海軍への志願を決めたのだった。
そんなある日、海軍学校の学生一同は講堂に集合させられ、そこで“回天”に乗る志願者は投票用紙に二重丸を記すように言い渡される。並木は用紙に自らの名前を書き、その上に二重丸を書いて投票したのだった・・・・・。
たぴおか的コメント
市川海老蔵のスクリーンデビュー作だが、悪いけど歌舞伎役者としての力量はいざ知らず、映画俳優としてはお世辞にも演技が上手いとは言えない。一言一言に力が入りすぎていて、自然な映画での演技とは言い難く、やはり舞台ならではの台詞回しなのだろう。作品全体としても、あまりに人間ドラマに重きを置いたため、戦時下という異常な状況が伝わってこない。“回天”に乗るということ、それはワールド・トレード・センターに激突した旅客機の自爆テロと相通じるもので、現在という平和な時代であれば常軌を逸した行動だ。その尋常ではない行動が平然と行われていた、国全体が狂っていた戦時中という時代、その空気なしにしては“回天”の悲劇は伝わってこない。そして、“回天”での突撃が不発に終わった並木が散っていった死に様は、少しも「悲しい」という感情を惹起するものではなく、むしろ滑稽に見えてしまう。戦時下という常軌を逸した状況にあったとしても、「死」は決して目的ではない。国を守るために命を捨ててこそ初めて「死」が意味を持ち得るのであって、国のためにも何にもならない訓練での自爆などは、命を無駄に浪費した「犬死に」に過ぎない。