評     価  

 
       
File No. 0414  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2006年11月11日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   阿木 燿子  
       
上 映 時 間   102分  
       
公開時コピー   水蜜桃(すいみつ)の 汁吸うごとく
愛されて
前世も我は 女と思う
    
二つの愛で、揺れて、濡れる。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   黒谷 友香 [as 薫里]
黄川田 将也 [as 圭]
村上 弘明 [as M]
高島 礼子 [as しほ]
西郷 輝彦 [as 岡本]
萬田 久子 [as 大里 響子]
中山 忍 [as 美佳]
吉野 紗香
井川 比佐志
本田 博太郎 [as 小田切]
 
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あ ら す じ    フリーライターの薫里は、妻子あるカメラマンMと9年越しの交際をしていた。Mは妻子を愛しながらも、仕事のために無我夢中で生きてきた薫里を包むように愛してくれた。仕事も順調で、夜はMとの快楽を楽しむ。薫里は、その時々の赤裸々な思いを、短歌に綴っていくのだった。“水密桃の汁吸うごとく愛されて前世も我は女と思う”。
 そんな薫里にある日、新しい恋が訪れる。薫里は年下の若いバイオリニストと、自然な成り行きで体を重ねる。若い圭は、食事も終わらないうちに薫里を求めてくる。まだ経験も少ない圭には、育てる楽しみがあった。圭は次第に薫里を人生のパートナーとして考えるようになるが、その気持ちが真剣であればあるほど、薫里には重たく感じてしまうのだった。“うしろから抱きしめられて目をつぶる君は重荷か翼か知らぬ”。
 2人の男性の間で揺れ動き、落ち着きをなくしていく薫里。仕事でも編集長の小田切から叱責を受け、文章にキレがなくなっていることを指摘される。今後の生き方について、大きな選択をしなければならない時が薫里に近づいていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    阿木燿子の初監督作品ということで、期待よりも不安の方が大きかったのだが、危惧が的中してしまったようだ。阿木燿子は監督に加えて脚本も担当しているのだが、女性監督ならではの感性が生かされているならまだしも、蓋を開けてみれば濡れ場の連続で、そういうシーンを撮るのが目的だったのかと疑いたくなる。男性の描写が物足りないのは仕方ないとは思ったが、あれでは許容範囲を超えている。男性は、女性が思っているほど単純で馬鹿ではないのだ。
 とにかく平板で内容が薄い作品で、監督と脚本家の力量不足は火を見るよりも明らかだ。黒谷友香の体当たりの演技が生かされていないのが可哀想になってしまう。