評     価  

 
       
File No. 0444  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年01月20日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ソフィア・コッポラ  
       
上 映 時 間   123分  
       
公開時コピー   恋をした、朝まで遊んだ、全世界に見つめられながら。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト キルステン・ダンスト [as マリー・アントワネット]
ジェイソン・シュワルツマン [as ルイ16世]
リップ・トーン [as ルイ15世]
ジュディ・デイヴィス [as ノアイユ伯爵夫人]
アーシア・アルジェント [as デュ・バリー夫人]
ジェイミー・ドーナン [as フェルゼン伯爵]
 
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あ ら す じ    オーストリア皇女アントワーヌは14歳のとき、母マリア・テレジアの命令でフランス王太子のもとへ嫁ぐことになった。ヴェルサイユ宮殿に到着したマリーは、国王ルイ15世の歓迎を受け、彼の孫で夫となるルイ16世を紹介される。1770年5月16日、2人は宮殿の聖堂で華やかな結婚式をあげた。
 マリーにとって、ヴェルサイユでの生活は奇妙なものだった。王族や貴族たちの口から聞こえてくるのは陰口ばかり。国王ルイ15世は、愛人のデュ・バリー夫人と人前で平気でいちゃつき、宮廷の品位と秩序を乱していた。一方、ルイはマリーに関心を示さず、同じベッドに寝ていても指1本触れようとしない。オーストリアの母からも、オーストリア大使のメルシー伯爵からも、「この結婚は同盟だから、一刻も早く世継ぎを」とせかされる日々の中、マリーがいくら努力しても、ルイは彼女を抱こうとしない。その虚しさを紛らわせるかのようにマリーは、靴やドレスや宝石、お菓子やシャンパンへの浪費に楽しみを見出し、ギャンブルやパーティにはまっていった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    キルステン・ダンストが好きで、ソフィア・コッポラ作品も嫌いではなかったのだが・・・・・褒め所が見つからない。ソフィア・コッポラ監督作品を観るのはこれが3作目になるが、前2作の『ヴァージン・スーサイズ』と『ロスト・イン・トランスレーション』では、いかにも女性らしい細やかな心理描写に秀でた監督だと思った。なのに、この作品ではそれがどこかへ失せてしまっていて、肝心のマリー・アントワネットの人物像が見えてこないのは致命的だ。それに、池田理代子の『ベルサイユのバラ』のおかげで、マリー・アントワネットがフランスへ嫁いでから断頭台に上がるまでの大まかなあらましを知っていたからいいようなものの、もしも予備知識が全くなかったら、ラストで彼女がヴェルサイユを去ったことが、それまでと全く脈絡のない突発事に思えるだろう。結局、ヴェルサイユの華やかさを上っ面だけさっと触れて終わってしまったような浅薄感だけが残る後味となった。スクリーンを観ながら、残り時間があとどれだけかと、これほど気になった作品も久しぶりだ。