評     価  

 
       
File No. 0445  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年10月20日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   周防 正行  
       
上 映 時 間   143分  
       
公開時コピー   これが、裁判。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   加瀬 亮 [as 金子徹平]
瀬戸 朝香 [as 須藤莉子]
山本 耕史 [as 斉藤達雄]
もたい まさこ [as 金子豊子]
尾美 としのり [as 新崎孝三]
大森 南朋 [as 山田好二]
鈴木 蘭々 [as 土井陽子]
小日向 文世 [as 室山省吾]
役所 広司 [as 荒川正義]
 
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あ ら す じ    大事な就職の面接を控えた日の朝、大勢の通勤客に混じって満員電車から駅のホームへ吐き出されたところを痴漢に間違われ現行犯逮捕されてしまった金子徹平。連行された警察署で容疑を否認すると、そのまま拘留される。その後も一貫して無実を主張するものの、結局は起訴される事になってしまう。徹平の無実を信じる母豊子や友人達雄の依頼で、ベテランの荒川正義と新米の須藤莉子の二人の弁護士が徹平の弁護を引き受け、いよいよ裁判が始まるのだった。  
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たぴおか的コメント     『Shall We ダンス?』の周防監督が日本の裁判のあり方に疑問を抱き、その問題点を描くことを試みた社会派の作品。瀬戸朝香扮する新米弁護士はともかく、役所広司扮するベテランの荒川までが全力を注いで弁護に当たる、それほどの事件とは思えないし、また多額の弁護士費用と裁判費用を支払えるのか、などという現実的な疑問が浮かんだものの、140分を超える長い尺にもかかわらず、全く退屈させない出来はさすがだ。裁判は正義を行う場ではない、それはわかっていたのだが、今回改めてそのことを再認識させられた。裁判制度の問題点、それは日本に限ったことではないだろう。なぜなら、刑事事件において真実を知るものはただひとり真犯人のみであり、裁判から導き出されるものはあくまで「真実と思われるであろう」という推測に過ぎないから。しかし、裁判官は事前に先入観を持たないために、新聞などを読むこともできないと聞いている。それほどまでに神聖な職業であるにもかかわらず、所詮は自分の判決が上訴審で覆されることをおそれる、所詮は自分が可愛いただの人間なのだ。それはともかく、男性諸君、満員電車では気をつけましょう。この作品の主人公金子徹平は、明日の我が身とならない保証はありませんから。