評     価  

 
       
File No. 0448  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年01月13日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   瀬々 敬久  
       
上 映 時 間   96分  
       
公開時コピー   蜘蛛に抱かれ 女は蝶になる  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   川島 令美 [as 寺本アサミ]
和田 聰宏 [as 二宮穣]
光石 研 [as 神崎]
嶋田 久作 [as 彫光]
松重 豊 [as 奥島隆]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    妻子と別居し、自己啓発セミナーの勧誘をしている男二ノ宮と、不倫に破れ自暴自棄になっているアサミの出会いは、アサミがサクラのバイトをしている出会い系サイトだった。アサミは、二ノ宮から携帯メールで送られてきた蝶の写真に魅せられ、サクラは相手とは外で会ってはならないという規則を破り彼と会う。喫茶店で熱心にセミナーに勧誘する二ノ宮に続いて、セミナーの主宰者奥島が現れる。落ち着いた口調ながら、有無と言わせぬ凄みにアサミは飲み込まれ、その日のうちに奥島に抱かれてしまう。奥島はアサミを自分の女にすべく、自らの背中の不動明王と同じく彼女にも刺青を入れようとする。
 翌日、奥島に命じられた二ノ宮は、アサミをを刺青師彫光のもとへ向かわせる。麻酔をかがされ、背中に下絵を描かれたアサミは、その見事な女郎蜘蛛に魅せられ、刺青を入れることを自ら志願する。そして、刺青ができあがると共に、アサミは以前とは別人のように変わっていった。そして、かつてサクラで騙していた男たちをホテルに呼び、過去を贖罪するかのように自らの身体を与えてゆく。
 そんな折、悪質な奥島の自己啓発セミナーに警察の捜査のメスが入る。奥島や他の社員たちは皆逃亡し、奥島を信じ切っていた二ノ宮はなすすべもなく途方に暮れるのだが・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    谷崎潤一郎の小説『刺青』を映画化した作品。谷崎純一郎のこの手の作品はどうしても淫靡な雰囲気がつきまとうのだが、この作品も例外ではない。私は男性の刺青は綺麗だとは思えないのだが、女性の白い肌に彫られた刺青には、言いようのない妖艶な美しさが感じられる(こういう事を言うのは、おそらく高木彬光氏の『刺青殺人事件』の影響を少なからず受けているためだろう)。とは言え、肝心の川島令美が演じる主人公アサミの存在感が希薄で、どうしても二ノ宮が主人公に思えて仕方ない。また、ストーリー展開が急で、なぜどん底の状態にあった二ノ宮がいきなり児童施設に寄付しようなどと思い立ったのか・・・・・一度原作の小説を読んでみたい。