評     価  

 
       
File No. 0461  
       
製作年 / 公開日   2005年 / 2007年02月10日  
       
製  作  国   スペイン  
       
監      督   イザベル・コヘット  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   彼女の名前はハンナ
友達・家族・趣味・将来の夢
すべてなし
どこで生まれ、何をしていたのか?
過去のことは聴かないで
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   サラ・ポーリー [as ハンナ・アミラン]
ティム・ロビンス [as ジョゼフ]
ハビエル・カマラ [as サイモン]
エディ・マーサン [as ヴィクター]
スティーヴン・マッキントッシュ [as シュルツァー]
ジュリー・クリスティ [as イング]
 
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あ ら す じ    あらゆる感情を封印したかのように誰とも言葉すら交わすことなく、黙々と工場で働く若い女性ハンナ。ある日、その過剰なまでの真面目過ぎる働きぶりを上司にとがめられ、強制的に1ヶ月の休暇を取らされてしまう。行く当てもないままに長距離バスに乗ったハンナは、思いがけないことから油田掘削所の事故で大怪我をした男ジョゼフの看護を買って出ることになる。
 ジョセフは腕と脚を骨折して全身には火傷を負い、角膜も焼けて手術するまでは目も見えないかった。彼を陸に運ぶまでの2週間の看護、それがハンナに与えられた役目だった。話すことしかできないジョゼフは、ハンナを質問攻めにする。ハンナはそれに対して何ひとつ答えようとはせず、名前すら彼が勝手に呼んだ"コーラ"でいいと言う。しかし、ジョゼフの暖かい言葉にハンナの頑なな心は少しずつ解きほぐされ、微笑むようになる。そして、2人は相手の秘密を知りたければ自分の秘密をひとつ教える、という取引を始めるようになる。
 やがて、ジョゼフのジョークに声を上げて笑うようになったハンナ。そして、彼女に最後の秘密を打ち明けたジョゼフに対して、ハンナは自らの最後の秘密もジョゼフに打ち明ける決心をするのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『死ぬまでにしたい10のこと』のイザベル・コヘット監督が描く、痛みを抱えたひとりの女性の再生の物語。正直言って前半はその展開のあまりの静けさに眠気に襲われてしまったが、彼女が次第に心を開くようになるあたりから引き込まれて行った。彼女が最後に証した秘密、それは友人の話として語られるがまぎれもない彼女自身の身に起きた悲劇で、彼女にとって自分の秘密を明かすことはその悲劇と改め対面するという辛い行為だったはず。それには非常に勇気が必要であると同時に、彼女にとっては大きな賭でもあったのではないか。自らの過去を知った相手の自分に対する態度が変わるのではないか?相手が自分から離れて行ってしまうのではないだろうか?それほどまでのリスクを承知の上で告白したハンナ、そこには彼女が再び生きようとする強い決意が芽生えていたのだ。