評     価  

 
       
File No. 0463  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年02月10日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   五十嵐 匠  
       
上 映 時 間   119分  
       
公開時コピー   幕末の世、日本の未来のために刀を捨てた、サムライがいた  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   松田 龍平 [as 山尾庸三]
山下 徹大 [as 野村弥吉(井上勝)]
北村 有起哉 [as 志道聞多(井上馨)]
三浦 アキフミ [as 伊藤俊輔(伊藤博文)]
前田 倫良 [as 遠藤謹助]
原田 大二郎 [as 大村益次郎(村田蔵六)]
寺島 進 [as 高杉晋作]
泉谷 しげる [as 佐久間象山]
 
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あ ら す じ    1853年、ペリー率いる黒船が浦賀に来航して以来、日本は開国かどうか揺れ動いていた。それはまた江戸300年の泰平が破れようとした時代でもあった。そんな中、西欧に人材を派遣し、学問や技術を習得することこそが富国強兵につながるという佐久間象山の言葉に、長州藩の若き侍志道聞多は触発される。海外渡航は、幕府に見つかれば死罪という国禁だった。しかしそれでもなお西欧へ行きたいという聞多の情熱は、ついに藩主・毛利敬親をも動かす。聞多は山尾庸三野村弥吉伊藤俊輔遠藤謹助らの同士を募り、命がけでイギリスへと向かう船に乗り込むのだった。彼ら5人の志士こそ「長州ファイブ」と呼ばれる5人だった。
 1863年5月、英国ロンドンに渡った5人はロンドン大学で造幣、造船、鉄道の技術を貪るように見聞する。そして最新技術や知識を日本に持ち帰るため、「生きたる機械」にならんとしたファイブたちに衝撃の知らせがもたらされる。攘夷を唱える長州藩がイギリス、フランスの艦隊に砲撃を行ったというのだ。そのことを知った5人のうち、聞多と俊輔は藩に西欧諸国との戦争を思いとどまらせる必要が有ると考え、志半ばにして帰国を決断した・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    史実を元にしてはいるが、若干の脚色が施されているらしい。驚いたのは、客席がほぼ満席状態だったことに加え、その客層の9割がどう見ても60歳代以上だったこと。昨年公開の『出口のない海』や『めぐみ』の年齢層が高かったのはわかるが、なぜこの作品が?という疑問は未だに消えない。内容は、予想をはるかに上回る出来で、主人公山尾のロマンスもあり、剛と柔、緩と急のバランスが良く観ていて疲れなかった。長州藩のために先進国の技術を習得するのが目的だったのだが、やがて藩という小さな括りではなく国のためにと、視野を拡げていく彼らが快かった。ただ、全く意味をなさないシーンがいくつかあり(特に、イギリスへ渡航する船の場面は無駄が多い)、また、5人がなぜイギリス行きを強く望んだのか、前半を端折りすぎたためか説得力に欠ける気はする。