評     価  

 
       
File No. 0476  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年03月03日  
       
製  作  国   ド イ ツ/ フランス / スペイン  
       
監      督   トム・ティクヴァ  
       
上 映 時 間   147分  
       
公開時コピー   その香りに、世界はひれ伏す。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ベン・ウィショー [as ジャン=バティスト・グルヌイユ]
レイチェル・ハード=ウッド [as ローラ]
アラン・リックマン [as リシ]
ダスティン・ホフマン [as ジュゼッペ・バルディーニ]
 
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あ ら す じ    1738年7月17日、活気と悪臭に満ちたパリのセーヌ河沿岸に並ぶ魚市場で、ひとりの赤ん坊が産み落とされた。ジャン=バティスト・グルヌイユ。人類に2人といない才能が誕生したことなど、人々は知る由もなかった。
 育児所に引き取られたグルヌイユに友達は1人もできなかった。超人的な嗅覚を持つ彼の存在を、子供たちはどこか普通とは違うと鋭く感じとったのだ。やがて13歳になったグルヌイユは、皮なめし職人グリマルに売り払われる。ただ黙々と働き続けるグルヌイユは数年後、パリの街中へ配達を命じられる。豊かな富の香りを貪欲に味わっていたグルヌイユの心臓が、初めて出会った芳しい香りに突如激しく鼓動する。夢中で匂いを辿ったその先には、プラムを売り歩く赤毛の少女が佇んでいた。彼女の香りに包まれて、初めて幸福とは何かを知るグルヌイユ。しかし彼は、脅えた少女の悲鳴を塞ごうとして、誤って死に至らしめてしまう。消えゆく命と共に、愛の香りも瞬く間にかき消えてしまうのだった。
 少女の香りを再現するために自分は生きてきたと悟ったグルヌイユは、落ち目の香水調合師バルディーニに弟子入りを乞う。流行の香水を鼻だけで作って見せたグルヌイユは、次々と新しい香水を生み出していき、瞬く間にバルディーニの店は大繁盛となる。グルヌイユはさらに100種類の香水をバルディーニに伝え、自らはさらに高い技術を会得するためにグラースの街へと旅立つのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    スピルバーグとスコセッシが映像化権を争った作品らしいが、この2人が権利を手にできなくて本当に良かったと思う。とにかく、「香り」という題材をいかに映像化するか、その何台を見事に昇華させて出来上がった作品は、まさに「衝撃的」の一言に尽きる。ほぼ2時間半という長い尺も全く気にならないどころか、逆に短く感じてしまった。嗅覚に関しては比類のない才能を持って生まれたグルヌイユは、「愛」を知らずに育ったが故に、女性を自らの目的達成のための道具としか見ることができず、公開もためらいもなく次々と処女を殺害していく。その倒錯した異常な感覚の持ち主・グルヌイユを演じたベン・ウィショーの演技は見事。また、ローラを演じたレイチェル・ハード=ウッドは、撮影当時わずか16歳とは思えないほど妖艶なまでの魅力を遺憾なく発揮している。