【File No.0492】
製作年/公開日 2006年 / 2007年03月10日 製  作  国 韓  国
監      督 キム・ギドク 上 映 時 間 98分
公開時コピー  Super Ki-DUK Love Story
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 ソン・ヒョナ [as スェヒ]
 ハ・ジョンウ [as ジウ]
 パク・チヨン [as セヒ]
 杉野 希妃 [as ウェイトレス]
あ ら す じ  互いを深く愛するセヒジウは付き合い始めて2年になる。しかし、セヒは変わり映えのしない自分の顔や体にジウが飽きているに違いないという不安に襲われていた。そしてある日、セヒは忽然とジウの前から姿を消してしまう。携帯電話もつながらず、ジウはまったくセヒを見つけることができなかった。彼女はその時、内緒で整形手術を行っていたのだ。
 セヒを見つけることを諦めたジウは何人かの女性と出会う。だが、関係を持とうとすると必ず見えない何かに邪魔をされてしまう。そんなある日、ジウは以前セヒとよく行った喫茶店で一人の魅力的なウエイトレスに出会う。彼女の名は、セヒによく似たスェヒ。ジウは次第にスェヒに惹かれていき、彼女を愛し始める。会って間もないのに2人はまるでぴったりの服のようだった。しかし、ジウにはかつての恋人セヒへの想いもまだ心に残っていた。
 ある日、ジウがセヒに会うため喫茶店に入ると、一人の女がセヒの顔写真を仮面のようにかぶって座っていた。仮面の隙間からスェヒの顔を確認したジウは、スェヒが実は整形したセヒであったことを理解した。セヒはジウに告げる。時が怖かった、時が愛さえも変えてしまうから。顔を変えれば、時にあがなってずっと愛し合えると思ったと。ジウはショックと怒りで店を飛び出してしまう。
 それ以来、ジウは姿を消した。ジウの家、ジウと一緒に行った場所、スェヒは彼を探すが、居場所がわからない。そしてスェヒは、真実を知ったジウがとった、衝撃的な行動を知るのだった・・・・・。
たぴおか的コメント  これがあのキム・ギドク監督の作品なのかと、疑いたくなるような作品。ギドク監督らしい「狂気」が影を潜め、緻密な心理描写も見られず、まるで牙を抜かれた虎のような作品だ。もしこれがキム・ギドク作品でなければ「そこそこ楽しめる」という評価になっていたかも知れない。だが、「異常天才」とまで称されるキム・ギドクが撮る以上は、他の誰が撮っても同じような作品ではファンは納得しないだろう。まぁ、ギドク作品には興味があるとは言え、それほど熱烈なファンではない私の個人的意見としては、「異常天才」などという称号はあまりに大袈裟過ぎ。ただ、独自のスタイルを持った異才であることは確かで、彼を異才たらしめている「色」がこの作品からは全く感じられない、そんなところだ。