評 価
File No.
0519
製作年 / 公開日
2007年 / 2007年05月12日
製 作 国
日 本
監 督
タナダ ユキ
上 映 時 間
100分
公開時コピー
貧乏、初恋、ひとりぼっち。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
東 亜優
[as 初子]
塩谷 瞬
[as 克人]
佐野 和真
[as 三島]
坂井 真紀
[as 田尻]
桐谷 美玲
[as 山口]
鈴木 慶一
[as ラーメン屋店主]
鈴木 砂羽
[as 初子の母]
浅田 美代子
[as 栄子]
大杉 漣
[as 初子の父]
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あ ら す じ
父親
が小さい頃に蒸発し、
母
には先立たれ、兄
克人
と2人で文化住宅で暮らす
初子
。家にはテレビも電話もなく、兄は稼いだお金を風俗で使うばかりか、電気代をパチンコですってしまい、電気まで止められるどん底の生活を送っていた。そんな初子に、クラスメイトの
三島
は一緒の高校へ行こうと勉強を教えてくれていた。
ある日、品の良さそうな女性
栄子
が、風邪をひいた初子に薬を買ってくれたうえに、5千円を渡してくれる。初子はそのお金で新しい服と参考書を買うが、その参考書で勉強しようとする初子に克人は辛く当たる。さらに、栄子と再会した初子は、栄子が初子に優しくしたのは新興宗教へ勧誘するという下心のためだったことを知りショックを受ける。そして、ついに初子は三島に理由も説明せずに、高校進学を諦めて就職することを決意するのだった。
そんな時、1人のホームレスが初子の家に訪れる。そのホームレスは、かつて初子たちを捨てて失踪した父親だった。自分たちを見捨てて今さら帰ってきた父親に対し、克人は怒りを露わに家から追い出す。ところが、克人や初子が外出中に、父は家に火を放って自殺してしまうのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
薄幸な少女を描いた作品は他にもあるが、これほど将来に微塵の希望も見えず救いようのないどん底状態を描いた作品は初めて観た。初子にとっての唯一の希望の灯りがクラスメイトの三島なのだが、卒業と共に別々の道を歩くことになり、その小さな灯りすらも風前の灯火に思えてしまう。また、そんな初子と克人の前に父親が現れるのだが、その父親が頼りにならないばかりか、かえって克人と初子の重荷になってしまうという、これでもかと言わんばかりの不幸の波状攻撃だ。そんな場合、観ている者はついつい初子に肩入れしたくなるものなのだが、ナゼかあまりそういう気持ちにならなかったのは、初子に扮する東亜優の「顔」がぼやけているためのような気がする。作品を観終えた後、初子の顔が頭に思い浮かばないのだ。それがもし、貧乏という魔物に蹂躙されて卑屈になり自分の殻に閉じこもってしまった初子を演技で表現していたのだとすれば、東亜優の演技力は賞賛に値するが、その真偽は次の作品『16[jyu-roku]』を観れば明らかになるだろう。