File No.0540
製作年/公開日 2007年 / 2007年06月23日 製  作  国 日  本
監      督 大林 宣彦 上 映 時 間 120分
公開時コピー  おかしく切ない
 青春“逆転”ファンタジー
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 蓮佛 美沙子 [as 斉藤一美]
 森田 直幸 [as 斉藤一夫]
 清水 美砂 [as 斉藤直子]
 厚木 拓郎 [as 山本弘]
 寺島 咲 [as 吉野アケミ]
 石田 ひかり [as 大野光子]
 田口 トモロヲ [as 斉藤孝造]
 窪塚 俊介 [as 斉藤孝一]
 犬塚 弘 [as 斉藤孝之助]
 古手川 祐子 [as 斉藤千恵]
 長門 裕之 [as 今田正助]
あ ら す じ  両親が離婚したために、恋人のアケミと離れて尾道から母直子と2人で幼少期を過ごした長野に転校してきた斉藤一夫。転校先の中学校では、同じクラスに幼なじみだった斉藤一美が。小さかった頃の思い出を次から次へとあっけらかんと話す一美に、一夫は恥じらい戸惑った。そんな一美に無理矢理引っ張られ、一夫は一美の両親と祖父が営む蕎麦屋に訪れる。そして、一夫がすっかり忘れてしまっていた思い出の場所“さびしらの水場”へと、一美は一夫を連れて行く。
 “さびしらの水場”の水を柄杓で汲んで飲もうとした時、2人は誤って水場に落ちてしまう。そして、自ら這い上がった2人は言葉を交わすこともなく互いの自宅へ戻るのだが、やがて互いの体が入れ替わってしまっていたことに気づく。驚いた一美(中身体は一夫)は一美の蕎麦屋へと急ぐと、そこでは一夫(体は一美)が泣きじゃくっていた。こうして、一夫は一美として、一美は一夫として、別の環境での暮らしが始まるのだった。
 一夫と一美は、入れ替わった環境に戸惑いながらも協力し合い暮らしていくが、別人のような妙な言動で周囲の人々を困惑させ、事件が次々と起きる。そして、ある日2人の運命を大きく変える事態が勃発する。一美(中身は一夫)が現代の医学では治療が不可能な病気に冒されていて、余命が2〜3か月だと医者から宣告されたのだ・・・・・。
たぴおか的コメント  82年に制作された『転校生』を、監督自ら現代風にリメイクした作品。82年の『転校生』が名作だったために、今回のリメイク作を観てイメージが壊れる気がして、劇場へ行くかどうか正直迷った。そして、観てみたらやはり前作には及なかったのだが、その大きな原因のひとつは斉藤一美を演じた小林聡美と蓮佛美沙子の差にある。小林聡美は本当に男の子のように大暴れした前作に対し、今回の蓮佛美沙子の一夫は言葉遣いこそ男なのだが、男だと感じさせるようなシーンが極めて少ない。そして、『バッテリー』の時にはそれほど気にならなかったが、蓮佛美沙子は表情の変化に乏しくて、一美(中身は一夫)の心情が伝わってこないのだ。また、前作にはなかった余命3か月の病気という設定には、却ってあざとさを感じて興醒めしてしまった。