File No.0543
製作年/公開日 2007年 / 2007年06月23日 製  作  国 日  本
監      督 降旗 康男 上 映 時 間 107分
公開時コピー  神様いったい、何様のつもりですか?
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 妻夫木 聡 [as 別所彦四郎]
 夏木 マリ [as 別所イト]
 佐々木 蔵之介 [as 別所佐兵衛]
 鈴木 砂羽 [as 別所千代]
 森迫 永依 [as おつや(死神)]
 笛木 優子 [as 井上八重]
 佐藤 隆太 [as 小文吾]
 赤井 英和 [as 九頭龍(疫病神)]
 石橋 蓮司 [as 井上軍兵衛]
 香川 照之 [as 甚平]
 西田 敏行 [as 伊勢屋(貧乏神)]
 江口 洋介 [as 勝海舟]
あ ら す じ  幕末。幼い頃から文武に秀でた下級武士別所彦四郎は、学問所でライバルだった榎本武揚が軍艦頭取にまで出世したのに比べ、婿養子に行った先の井上の家からは離縁され未だにくすぶっていた。そんな彦四郎に蕎麦屋の親父・甚平は、榎本が出世したのは向島の三囲(みめぐり)稲荷にお参りしたからだと、彦四郎にも稲荷参りを勧めるのだった。
 その夜、彦四郎は帰り道で酔って転げ落ちた土手のふもとに、三巡(みめぐり)稲荷と書かれた祠を見つける。“みめぐり”違いだとは夢にも思わず、彦四郎はすがる思いで祈った。すると、彼の前にひとりの男が現れる。彦四郎の願いを聞き入れてくれる福の神かと思ったらさにあらず、なんと彼の正体は貧乏神だったのだ。彦四郎は、井上家の当主軍兵衛に仕える小文吾の助けを借り、貧乏神を他の人物に「宿替え」させることに成功するが、貧乏神は「三巡」の文字通り、神は三度巡って来ると言い残して消えていった。そして、その言葉通り彦四郎の前に力士の九頭龍(疫病神)、幼い少女おつや(死神)が順に現れる。最初は厄災から逃れようと手を尽くす彦四郎だったが、おつやとの触れ合いによってその心境に変化が訪れるのだった・・・・・。
たぴおか的コメント  軽妙なコミカル時代劇で、過度に期待しなければそこそこ楽しめる作品になっている。妻夫木聡は決して演技が下手なわけではないのだが、あまりにソツがないために却って個性が感じられない(この作品に限ったことではないのだが)。そのために、彼に取り憑く貧乏神・疫病神・死神の個性が際だって見える。特に、『ラストラブ』でも触れた森迫永依ちゃんは、あまりに愛くるしくて死神であることをつい忘れてしまう。前半は西田敏行・赤井英和というキャラクターのおかげで気楽に観ることが出来るのだが、死神と出会ってからは一転して彦四郎の内向的な描写に転調するのはいかがなものか。特にラストでは、自分の息子や甥子には新しい時代を築くように説きながら、自らは勝海舟の言葉にも耳を貸さずに死に場所を探すことに執着する様を受け入れることはできなかった。