評     価  

 
       
File No. 0546  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年06月30日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   及川 中  
       
上 映 時 間   116分  
       
公開時コピー   天女の羽衣が誘う、切なくも美しい男女の悲恋  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   鈴木 杏 [as 叶小夜子]
本仮屋 ユイカ [as 麻井由似子]
勝地 涼 [as 遠野涼]
市川 実日子 [as 麻井鷹子]
深水 元基 [as 遠野暁]
津田 寛治 [as 小川雪政]
三谷 昇 [as 三木]
小倉 一郎 [as 叶和憲]
青山 知可子 [as 叶鈴子]
国分 佐智子 [as 叶浮子]
嶋田 久作 [as 遠野一郎]
江波 杏子 [as 叶あき]
 
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あ ら す じ    昭和45年の金沢。能楽クラブに所属する女子高生麻井由似子のクラスに、地元の名家である叶家の娘・叶小夜子が転入してくる。彼女は5歳の頃に親戚の家に預けられて以来、12年ぶりに金沢に戻ってきたのだ。由似子をはじめとするクラスメイトたちは、たちまち小夜子の虜になる。
 遠野建設の息子遠野暁は、小夜子と政略結婚させられそうになっていると、義理の弟である遠野涼に話した。暁の父一郎は、叶家が所有する土地に高校の中等部を建設しようとしていたが、叶家は買収に応じなかった。そこで、一郎の妹であり暁の叔母でもある浮子が小夜子と暁の縁組を企て、小夜子を実家に呼び戻したのだった。
 暁の執拗な求婚を受け流していた小夜子だったが、祖母のあきが亡くなったことをきっかけに、暁との結婚に条件付きで承諾する。その条件とは、小夜子の母鈴子を遠野建設の筆頭株主とすることだった。そして、これを機に遠野家は破滅への道のりへと向かっていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    吉田秋生(よしだあきみ)原作のコミックを映画化した作品。友人から無理矢理貸し付けられて原作を読んだのがもう10年近くも前のことで、細かいことは覚えていないがあの独特の画風と雰囲気だけは強烈に印象づけられた。そして、この作品はどうやら原作の呪縛から逃れられなかったようだ。吉田秋生の世界のエッセンスだけを抽出し、及川監督流の『吉祥天女』を作り出す大胆さが欲しかった。小夜子役の鈴木杏はミス・キャストと言ってしまえばそれまでだが、果たしてあの年代で原作のイメージ通りの妖艶な雰囲気を持つ女優がいるかを考えると、やむを得ないキャスティングなのかもしれない。そして、鈴木杏自身も原作の小夜子に近づこうと頑張ってくれていたために、それほど違和感に悩まされることもなく済んだ。彼女はもともと演技力のある女優だし、目の演技には強いインパクトを受ける。本仮屋ユイカの演じる由似子も極めてフツーっぽいのが良く、勝地涼も及第点をあげてもいい。ただし、高校生の喫煙を推奨するかのような喫煙シーンはいただけない。不良=喫煙という発想は、あまりに安直過ぎやしないだろうか。