File No.0562
製作年/公開日 2007年 / 2007年08月04日 製  作  国 日  本
監      督 中田 秀夫 上 映 時 間 119分
公開時コピー  ずっと、ずっと、ずっと、あなただけ。
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 尾上 菊之助 [as 深見新吉]
 黒木 瞳 [as 豊志賀]
 井上 真央 [as お久]
 麻生 久美子 [as お累]
 木村 多江 [as お園]
 瀬戸 朝香 [as お賤]
 津川 雅彦 [as 三蔵]
 榎木 孝明 [as 深見新左衛門]
 六平 直政 [as 皆川宗悦]
 光石 研 [as 勘蔵]
 一龍斎 貞水 [as 講釈師]
あ ら す じ  下総の国、羽生村。金貸しの皆川宗悦は、深見新左衛門邸に貸した金の催促に行くが、新左衛門の逆恨みを買って斬り殺されてしまう。二度と亡骸が浮かび上がらないという累ヶ淵へと宗悦は沈められてまうが、彼の恨みか新左衛門は乱心の末妻を切って自ら自害し、深見家は取り潰しとなってしまう。それから25年後の江戸、深川。美しい顔立ちと優しい心を持つ煙草売りの新吉は、ある日街筋で美しい富本の師匠豊志賀と出会う。これが、新左衛門の息子と宗悦の娘の因縁の出会いだった。新吉は年上の豊志賀への想いを募らせ、やがて二人は男女の一線を越えてしまう。
 豊志賀は新吉に惚れ込むあまりに嫉妬深くなり、身持ちが堅いという評判は地に落ち弟子が次々と辞めていってしまう。新吉と縁を切るようにとの妹のお園の忠告も、師匠を思って別れを切り出す新吉の言葉にも豊志賀は耳を貸さない。そして、新吉と言い争った弾みで、三味線の撥が豊志賀の顔を傷つけてしまう。その傷が元で豊志賀の顔は醜く腫れ上がり、新吉はそんな豊志賀を必死で看病する。しかし、隅田川の花火の夜に、豊志賀の弟子のひとりお久と出会った新吉は、お久が羽生の村に住む叔父の元へ行くつもりであることを聞き、彼女と一緒に江戸を出る決心をするのだった。そしてちょうどその頃、豊志賀は息を引き取ってしまう。新吉への「このあと女房を持てば必ずやとり殺すからそう思え」との書き置きを残して・・・・・。
たぴおか的コメント  なんとも中途半端な性格の作品だ。ひとりの男に惚れ抜いた女の情念の深さや恐ろしさと、その女の情念に呪縛されて身を滅ぼしていく男の末路を描いた作品にしては、今ひとつ登場人物が描き切れていない。かといって、決して『リング』のようなホラー作品でもないはずで、そうだとしたらあまりに「怖さ」が足りない。この作品に中田秀夫監督を持ってきた時点で、根本的に方向性を間違っているのでは?黒木瞳はさすがに役柄を充分にわきまえた演技を見せてくれていて、彼女以外にも井上真央、木村多江、麻生久美子、瀬戸朝香とそうそうたる顔ぶれは見事だが、肝心の新吉役の尾上菊之助のルックスはどうしても好きになれない。そのためか、新吉がどんどんと自滅していく有様が皮肉にも痛快に見えてしまった。