File No.0603
製作年/公開日 2007年 / 2007年10月27日 製  作  国 アメリカ / オーストラリア
監      督 ニール・ジョーダン 上 映 時 間 122分
公開時コピー  許せますか、彼女の“選択”
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 ジョディ・フォスター [as エリカ・ベイン]
 テレンス・ハワード [as ジョン・マーサー刑事]
 ナヴィーン・アンドリュース [as デイビッド・キルマーニ]
 メアリー・スティーンバージェン [as キャロル]
 ニッキー・カット [as ビタール刑事]
 ジェーン・アダムス [as ニコール]
あ ら す じ  ラジオ番組「ストリート・ウォーク」のパーソナリティを務めるエリカ・ベインは、恋人デイビッドとの結婚を直前に控えたある夜、暴漢に襲われてしまう。3週間もの昏睡状態から目覚めたエリカは、デイビッドが亡くなったことを知り、癒えることのない深い傷を心に負ってしまう。そして、今までは彼女にとって何気ないニューヨークの街が、急に危険な場所に感じられるようになっていた。そんな彼女の決断、それは銃を持ち自衛のために武装することだった。ところが、ある夜の事件をきっかけに、彼女は「自衛」という一線を越えてしまう。
 それは、とあるコンビニエンス・ストアで起こった。男が店員を射殺する現場に居合わせたエリカは、男から身を守るために持っていた銃で男を撃ってしまう。そして、エリカが地下鉄で暴力を働いた2人を撃った直後、事件の担当となったマーサー刑事から偶然話しかけられる。彼はエリカのラジオ番組のファンだったのだ。そして、次第に2人はうち解けていくが、それと同時にマーサーは事件の犯人がエリカではないかと疑い始めるのだった・・・・・。
たぴおか的コメント  恋人を奪った暴漢に対しての復讐劇だと思っていたのだが、観てみると少々趣が違うようだった。一度は失意のどん底で生きる意志を失いかけたエリカが、護身用に購入した銃で身を守るために相手を射殺したことで、銃の持つ魔力に魅入られたかのように殺人を繰り返す。一方では、今までは全く見知らぬ人間に変わってしまった自分を見つめるもう一人の自分がいて、見知らぬ自分が犯してしまった罪におののき揺れ動く。そんなエリカの微妙な心理を見事に演じきったジョディ・フォスターはさすがだ。彼女の存在故に、この作品が単なるアクションではなく、ヒューマンドラマとして成立していると言っても過言ではない。ただ、タイトルの“THE BRAVE ONE”の意味だけは全く理解に苦しむ。彼女の行為は百歩譲って蛮勇と言えるとしても、決して“BRAVE”ではない。むしろ、“BRAVE”なのはマーサー刑事だと、ラストシーンを観てつくづく思ってしまった。