評     価  

 
       
File No. 0606  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年10月27日  
       
製  作  国   デンマーク / スウェーデン  
       
監      督   スザンネ・ビア  
       
上 映 時 間   119分  
       
公開時コピー   愛は、死なない。
    
命の終わる日を知った時、
大切な人に残したいものがある。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   マッツ・ミケルセン [as ヤコブ]
ロルフ・ラッセゴード [as ヨルゲン]
シセ・バベット・クヌッセン [as ヘレネ]
ステーネ・フィッシャー・クリステンセン [as アナ]
クリスチャン・ダフトルップ [as クリスチャン]
フレデリック・グリッツ・アーンスト [as マーティン]
クリスチャン・グリッツ・アーンスト [as モートン]
イーダ・ドゥインガー [as アネッテ]
 
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あ ら す じ    インドで孤児たちの救助活動に従事するデンマーク人ヤコブの元に、同じデンマーク人の実業家ヨルゲンから寄付金の申し出が舞い込んだ。その寄付には条件が一つだけつけられていた。それは、ヤコブがデンマークへ赴き、直接ヨルゲンと会って話をすることだった。
 財政難の孤児院を救うため、不本意ながらデンマークへ訪れたヤコブは、ヨルゲンから週末に行われる娘アナの結婚式に出席するよう、強引に誘われる。断り切れずに出席した結婚式で、ヤコブは思いがけない人物と出会う。それは、彼の昔の恋人ヘレネで、彼女は奇しくもヨルゲンと結婚していたのだった。そして、思いがけない再会に戸惑うヤコブに追い打ちをかけるような出来事がさらに起こる。アナはスピーチで、彼女が実はヨルゲンと血の繋がりがなく、ヘレネと昔の恋人との間にできた子供であることを打ち明けたのだ。
 ヤコブは、アナが自分の娘であることを確信し、自分の実の父親がヤコブであることを知ったアナは、素直に父親としてヤコブを受け入れてくれる。ところが、寄付金の交渉が進むにつれ、ヨルゲンから思いもよらない寄付の条件を突きつけられる。寄付金の額は1,200万ドルという、ヤコブが予想だにしなかった莫大な金額で、その管理はすべてヤコブとアナに任されること、ヤコブはインドを離れてデンマークに住むこと、というものだった。ヤコブはヨルゲンの真意を測りかねて、ヨルゲンと口論となった末に、彼から真相を打ち明けられるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    見終えた後に、解決できない大きな疑問が残った作品。果たして、ヨルゲンはヤコブがアナの実の父親である事を知って寄付を申し出たのか、それとも知らなかったのか。ヤコブの言葉にもある通り、ヨルゲンは決して慈善事業に興味があるわけではないから、そのヨルゲンがヤコブに寄付を申し出たのは、彼がアナの父親であることを知っていたからと解釈するのが自然だ。しかし、初めてヤコブと面談したヨルゲンは、「他にもプロジェクトを数件抱えているから、寄付を決めたわけではない」とヤコブにやんわりと否定的な意見を述べている。ところが、その後掌を返したように寄付を決め、その額は最初に話していたのとは比較にならない莫大な金額だった。その点からすると、ヤコブがアナの父親であることを知って態度を変えたとしか思えない。
 それにしても、自分のすべてを妻の元恋人であるヤコブに譲ろうとするとは、彼が素晴らしい人格者であると共に、どれほど家族を愛していたかの証左だろう。あまりにあれもこれも詰め込みすぎた感はあるが、切なくて心地よい後味の残る秀作だ。