評     価  

 
       
File No. 0626  
       
製作年 / 公開日   2006年 / 2007年11月24日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   ジェラール・ユスターシュ=マチュー  
       
上 映 時 間   96分  
       
公開時コピー   恋して、生まれ変わる。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ソフィー・カントン [as アヴリル]
ミュウ=ミュウ [as シスター・ベルナデット]
ニコラ・デュヴォシェル [as ピエール]
クレマン・シボニー [as ダヴィッド]
リショー・ヴァル [as ジム]
ジュヌヴィエーヴ・カジル [as マザー・マリ=ジョゼフ]
モニク・メリナン [as シスター・セレスト]
 
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あ ら す じ    中央フランスの山間にあるトラピスチヌ修道院で暮らすアヴリルは、赤ん坊の頃に捨てられていたところを修道院長のマザー・マリ=ジョゼフに拾われ、以来外の世界を知らずに過ごしてきた。そして間もなく、2週間礼拝堂にこもって新進を清めるという、修道女になるための儀式を迎えようとしていた。
 わずかな私物は土に埋めて礼拝堂に籠もった翌朝に、アヴリルはシスター・ベルデナットから双子の兄の存在を知らされる。アヴリルが拾われた時、一緒に男の赤ん坊も捨てられていたのだが、男の子は孤児院に引き取られたというのだ。そして、シスターはアヴリルに儀式の2週間を使って兄に会うよう、強く諭すのだった。
 修道院を抜け出したアヴリルは、途中でトラックに乗った青年ピエールと出会い、彼のトラックで兄の元まで送ってもらう。ところが、兄は恋人と一緒に南仏のカマルグにバカンスに行っているという。兄が戻るまで待つというアヴリルを、ピエールはカマルグまで行こうと誘う。そして、カマルグで恋人のジムと2人でいた兄ダヴィッドと巡り会った。そして、ピエールも加えた4人で過ごす時間は、修道院しか知らずに育ったアヴリルの頑なな心を、次第に柔らかく解きほぐしていくのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    穏やかな海辺で過ごすアヴリルが、自分の生き方を見直していく、そんな静かな作品かと思ったら、後半は展開が大きく変わって強いアヴリルを観ることができる。そんな主人公アヴリルを演じた、フランスの新進女優ソフィー・カントンの魅力が果たす役割がきわめて大きい。心に壁を作って、男性と一定距離を隔ててしか接しようとしないアヴリルが、やがて未知の世界に触れて成長していく様をごく自然に演じていてるのがいい。また、生まれて初めて修道院の外の世界へ踏み出したアヴリルだが、彼女を取り巻く人間がピエールを筆頭にいい奴ばかりなので、安心して観ていられる。そして、後半にはシスター・ベルナデットがなぜ戒律を破ってまでもアヴリルを兄に会わせたのか、その秘密が明かされて、それまではばらばらだったパズルがひとつに組み合わさったような満足感も得ることができる。おそらくは、女性からの賞賛の声が多いだろうが、男の私が観ても非常に心地がいい秀作だ。