File No.0629
 
製作年/公開日 2007年 / 2007年12月01日 製  作  国 日  本
監      督 森田 芳光 上 映 時 間 119分
公開時コピー
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 織田 裕二 [as 椿三十郎]
 豊川 悦司 [as 室戸半兵衛]
 松山 ケンイチ [as 井坂伊織]
 鈴木 杏 [as 千鳥]
 村川 絵梨 [as こいそ]
 佐々木 蔵之介 [as 木村]
 風間 杜夫 [as 竹林]
 西岡 徳馬 [as 菊井]
 小林 稔侍 [as 黒藤]
 中村 玉緒 [as 睦田夫人]
 藤田 まこと [as 睦田]
あ ら す じ  とある社殿の中で密議をこらす9人の若侍。彼らは、上役である次席家老黒藤と国許用人竹林の汚職を暴こうとしていた。その粛清を求める意見書は城代家老の睦田にはのらりくらりとかわされたが、大目付の菊井に受け入れられ、この社殿に集められたのだった。するとそこへ、よれよれの紋付袴姿の浪人が現われる。そして彼は、正しいのは睦田で黒幕は菊井がだと言い若侍たちを驚かせる。しかし、その言葉通り社殿は既に菊井の手の者に包囲されてしまっていた。浪人は若侍たちを床下に隠し、ひとり社殿の外へ打って出る。敵方の首魁室戸半兵衛は、その浪人が只者でないことを見抜いて手下に引き上げを命じた。そして浪人は、城代家老の身の危険を案じるその若侍たちに力を貸すことになるのだった。
 城代家老は既に何者かによって連れ去られてしまっていた。睦田夫人と娘の千鳥も監禁されていたが、浪人の機転で救い出すことに成功する。そして、睦田夫人から名を問われた浪人は、庭に咲き乱れる椿を見ながら「椿三十郎」と名乗るのだった・・・・・。
たぴおか的コメント  そもそも黒沢・三船の『椿三十郎(1962年)』は私が生まれる前の作品で、生まれる前のしかも時代劇などビデオですら観る気がしなかったので、何の先入観もなく観ることができた。結論を言えば、織田裕二は彼なりの椿三十郎というキャラクターを作り上げていて、文句をつける余地はないように思える。最後まで退屈することなく楽しめる作品だ。ただ、それはあくまでも「前作と切り離して」が大前提であって、これがリメイク版となるとどうしても前作と比較してしまうのはやむを得ない。以前に『犬神家の一族』では私もやはり前作に軍配を揚げたのだが、主役・監督が同じである『犬神家』よりも、主役が三船敏郎から織田裕二へ、そして監督が世界の黒沢から森田芳光に変わった『椿三十郎』の方が風当たりが強いのは仕方ないだろう。そして、前作のファンにとっては、たとえ前作よりも新作がリファインされている箇所であったとしても、「前作の方が良かった」と不満に感じてしまうものだ。つまり、リメイク作は思い入れの強いファンがいればいるほど、スタート以前から既に相当なハンディを負っているということになり、前作を上回る評価を得ることは至難の業なのだ。