評     価  

 
       
File No. 0638  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2007年12月15日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   陣内 孝則  
       
上 映 時 間   124分  
       
公開時コピー   本当の奇跡は、一番最後にやってくる・・・。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   森山 未來 [as 佐野修平]
加藤 ローサ [as 山口静華]
田中 好子 [as 猪谷幸枝]
高樹 沙耶 [as 礼奈の母]
森 公美子
松重 豊
モロ師岡 [as 静華の父]
RIKIYA
佐藤 二朗
原田 夏希
綿貫 智基 [as 猪谷昌也]
清水 省吾 [as 榎戸幹夫]
岡本 杏理 [as 篠原礼奈]
谷 啓 [as 今泉邦雄]
坂口 憲二 [as 現代の猪谷昌也]
塚本 高史
玉木 宏
飯島 直子
原 沙知絵
佐藤 浩市
寺島 進
 
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あ ら す じ    プロのタップダンサーになる夢に破れ恋人の山口静華がいる北海道へ訪れた佐野修平は、唐突に静華に結婚を申し込んだ。しかし、結婚に反対する静華の父親は、自分がオーナーである少年アイスホッケーチーム“スマイラーズ”を、監督として勝利に導くという条件を提示してきた。こうして、修平はルールすら知らないアイスホッケーで、今まで一度も勝ったことがない弱小チームを率いることになった。
 スマイラーズの試合を見た修平は、決してチームに力がない訳ではないことを知る。そして、急場しのぎの作戦を考え出し、見事チームを初勝利へと導いた。ところが、静の父はさらなる難題を修平に押しつけてくる。海外の大会でベスト4という実績を誇るチーム“サンダーバード”を破って全道大会で優勝しろというのだ。そんな修平が気にかかっていたのは、チームのエースである 猪谷昌也がその生い立ちのために笑顔を失っていたことだった。
 昌也は東京から来たフィギュアの少女 篠原礼奈と互いに恋心を抱くようになる。そして、礼奈のおかげで昌也は次第に笑顔を取り戻していく。ところが、全道大会を前にして礼奈が入院してしまう。彼女の病気は白血病だった。弱気になりがちな礼奈を励ますため、サンダーバードのメンバーは全道大会の優勝を礼奈に誓うのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    陣内孝則が原作・脚本・監督の3役をこなした作品。全員が声をそろえての台詞などクサイ演出や笑えないギャグが随所に見られ、苦笑させられることが多かった気がする。そして、何よりも納得できないのは、この作品でいう「奇跡」が何かについてだ。そもそも、スポーツの結果には奇跡などあり得ない。あるとすれば、それは努力を積み重ねた結果に少しの幸運が加わっただけで、それは努力の裏付けがあってこその成果にほかならない。まぁ、ド素人監督が就任していきなり、今まで一度も勝ったことがないチームが全道優勝してしまうことからしてあり得ないのだが、それを言っては身も蓋もなくなってしまうが。
 奇跡とはそんなものではなく、スマイラーズ全員の願いが通じて白血病と闘う礼奈が病を克服する、それこそが本当の奇跡ではないだろうか。たとえフィクションとはいえ、これから輝こうとする少女の命を奪うことで感動を呼ぼうなどと思ったとしたら、それは原作者のとんでもない勘違いだとしか私には思えない。そう思ってしまうと、すべてを批判的な目で見てしまうもので、豪華なキャストを勢揃いさせたことすら、嫌みな物量作戦にしか映らなくなってしまうものだ。