評     価  

 
       
File No. 0639  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2007年12月15日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   永田 琴  
       
上 映 時 間   128分  
       
公開時コピー   大切な想いは、伝えなきゃ。
    
すべてをかけて、小さなディスクジョッキーが伝えたかったこと。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   神木 隆之介 [as 高野太郎]
福田 麻由子 [as 海乃たまき]
広末 涼子 [as 大人になった海乃たまき]
佐藤 重幸 [as 高崎太郎(若先生)]
村川 絵梨 [as かなえ]
松重 豊 [as 捨次]
光石 研 [as 結城]
賀来 賢人 [as 結城周平]
森 康子 [as タエ]
小林 克也 [as 尾崎誠]
西田 尚美 [as 高野ひろ子]
石黒 賢 [as 高野正彦]
原田 芳雄 [as 高崎雄二(大先生)]
 
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あ ら す じ    1977年の函館。野球好きな中学1年生の高野太郎は、ある日野球の試合で突然鼻から出血して倒れてしまう。そして、再び同じように倒れた太郎は、母ひろ子に連れられて、母の妹かなえが勤務する病院で検査を受けた。そして、検査の結果、太郎は急遽入院することになってしまう。
 病院生活に退屈してきた太郎は、昼食時に流れるクラシック音楽に誘われ、大先生の部屋にたどり着く。そこには壁いっぱいのレコードやアンプ、そして、放送用のマイクが設置されていて、太郎はついお気に入りのラジオ番組のDJの真似をしてみた。するとそれを見ていた大先生は、治療の一環として太郎に音楽番組のDJをさせることを思いつくのだった。
 太郎の病状は好転し、無愛想な捨次、優しい結城、誰とも口をきかない老女タエのいる4人部屋へ移動することとなった。ところが、太郎のDJを褒めてくれる結城が亡くなってしまい、太郎は「死」について考えるようになる。そんな矢先、空いた結城のベッドに移ってきたのは、以前太郎が「ミイラ人間」とからかった海乃たまきだった。包帯がとれたたまきは優しい笑顔の少女で、太郎はたちまちたまきに恋をしてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    前評判を裏切らない秀作。神木隆之介は名子役と謳われただけあって、いかにも「演技をしている」という不自然さが全くないのはさすがだ。対する福田麻由子は、正直今まで笑顔がほとんど観られない役柄しか見たことがなかったので、あれほど笑顔が多い彼女には違和感を覚えてしまった。ただ、そんなことは枝葉末節の話。太郎とたまきの幼い恋と、彼らを取り巻く個性的でいて暖か人々が優しく描かれていて、何度も目頭が熱くなった。
 ただ、残念に思うのは、白血病に冒された主人公太郎の、死への恐怖が全くといっていいほど描かれていないために、やや現実感を欠いてしまっている。人が死に直面した時の悲壮感や、限られた命だからこその輝き、そんなエッセンスが加われば、間違いなく今年の邦画ナンバーワンになっていただろう。余談だが、この作品の舞台となった1977年当時って、病室内で喫煙しても良かったのか??