製作年/公開日
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2007年 / 208年01月19日
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製 作 国
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ド イ ツ / オーストリア
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監 督
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ステファン・ルツォヴィッキー
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上 映 時 間
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96分
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公開時コピー
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完璧な贋札。 それは俺たちの命を救うのか。 それとも奪うのか |
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最初に観たメディア
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キ ャ ス ト
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カール・カルコヴィクス [as サロモン・ソロヴィッチ]
アウグスト・ディール [as アドルフ・ブルガー]
デーヴィト・シュトリーゾフ [as フリードリヒ・ヘルツォーク]
マリー・ボイマー [as アグライア]
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ドロレス・チャップリン [as カジノの令嬢]
アウグスト・ツィルナー
マルティン・ブラムバッハ
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あ ら す じ
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第二次大戦中のドイツ。ザクセンハウゼン強制収容所に送られてきた、世界的贋札師ソロヴィッチ、印刷技師のブルガー、美術学生のコーリャらのユダヤ系技術者たち。彼らに課せられた使命は、完璧な贋ポンド札を作ることだった。ナチス・ドイツは大量のポンド札を贋造してイギリス経済を崩壊させようという、いわゆる「ベルンハイト作戦」を企てていたのだ。
収容所内にある秘密の工場で贋札作りを強いられたソロヴィッチたちは、他のエリアに収容されたユダヤ人たちに比べると、破格とも言うべき厚遇を受けていた。しかし、使命の遂行ができない者、あるいは、使命の遂行を妨げる者は容赦なく射殺される。そして、ついにソロヴィッチたちは贋ポンド紙幣を完成させる。そして、その紙幣は本国イギリスの銀行でも本物と認められる物だった。
ポンド札の出来に満足したナチスは、次はソロヴィッチたちにドル札の贋造を命じた。作戦が成功すれば家族や同胞への裏切りになる、贋ドルが完成しなければ死が彼らを待っている、彼らは次第にジレンマに苦しみ葛藤・苦悩するのだった・・・・・。
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たぴおか的コメント
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世界最大の贋札偽造事件と言われる、ナチスのベルンハイト作戦を、偽造に携わったユダヤ人技術者を通して描いている異色作。原作は、実際に強制収容所で作戦に関わり、作品中にも登場するユダヤ人アドルフ・ブルガ著ーの『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』だ。そして、映画は原作にフィクションも交えてより劇的な作品となっている。
昨年はドイツ作品に恵まれていたため、この週末『スウィーニー・トッド』の次に期待していた作品だったが・・・・・結論から言うと今ひとつ残念な内容だった。確かに、ナチス・ドイツによって強制収容所に連行されたユダヤ人の扱いは、常軌を逸した悲惨なものだっただろう。だが、その中でも作品中の彼らは他とは比較にならない優遇措置を受けていたのだ。しかも、そこから無事生還しているのだ。それをもって「悪魔の工房」とするならば、収容所で殺された他のユダヤ人たちは怒り狂うのではないか。「自分たちから見れば、お前たちのいた場所は悪魔なんかじゃない、天国の工房だ」と。そして、作品中でもソロヴィッチたちがいた収容所には、生きるか死ぬかのギリギリの緊迫感からは無縁で、むしろ平穏な空気に満ちていたように受け取れた。ただし、それはあくまで他のユダヤ人の扱いと比較しての話で、強制的に収容されて失敗すれば死ぬという強制労働に就かされているという状況は、非日常的であり今の私たちには実在したとは思えないほどかけ離れた世界であり、今後決して実在してはならない世界なのだ。余談だが、ナチスがユダヤ人大量虐殺に使用した装置を小型化した物が、現在どの家庭でも必需品となっている電子レンジだ。
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