評     価  

 
       
File No. 0675  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年02月02日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   荻島 達也  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   純粋だから、分かち合える傷がある。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   小池 徹平 [as アサト]
玉木 宏 [as タケオ]
栗山 千明 [as シホ]
永岡 佑
岡 あゆみ
飛田 光里
桑代 貴明
川辺 菜月
新妻 さと子
おおさこ しげお
大塩 ゴウ
タカ・コンドー
仲野 茂
斉藤 由貴 [as 小野響子]
泉谷 しげる [as 神田幸助]
 
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あ ら す じ    ある街の自動車修理工場で働くタケオは、ダイナーで内気な青年アサトに出会う。きっかけは、アサトがダイナーで手を触れずに塩の瓶を引き寄せたのをタケオが目撃したことだった。そして、そんな2人は、アサトが街のチンピラに恐喝されているところをタケオが救ったことから、友情で結ばれるようになる。そして、アサトは物を動かすのと同様に人の傷を自分に移すことができることを、タケオの傷を移したことをきっかけに知るのだった。
 アサトとタケオは街のダイナーで頻繁に会い、そこで働くシホと仲良くなる。アサトはある事情で保護監察課に置かれており、タケオには傷害罪で捕まった過去があった。そしてシホも、子供の頃にイジメにあって心に消えない傷を負うと同時に、顔にも傷跡が残ったために、いつもマスクを着けて隠していた。そんなそれぞれ過去に傷を負い心を許せる相手がいなかった3人は、初めて気の置けない友人を得て、3人で笑い合えるかけがえのない日々を送っていた。しかし、やがてそれぞれの過去の傷と向き合わなければならない時が訪れる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない』の乙一原作で、監督は『きみにしか聞こえない』の荻島達也。乙一原作の過去2作品はハズレがなかったので、それなりに期待して観たのだが・・・・・柳の下に三匹目のドジョウはいなかったようだ。ちなみに、『KIDS』というタイトルは、「子供たち」の意味ではなく「傷」からきているようだ。玉木宏が今までのイメージと違う役柄だったのは新鮮で良かったのだが、小池徹平は相変わらず線が細くて、観ていて痛々しい。その彼が他人の傷を自分に移動させるとあっては、あまりにも自虐的過ぎて目を覆いたくなってしまうほど観ているのがツラい。そして、もう一人の主役である栗山千明は、『キル・ビル』『妖怪大戦争』以来三度目のお目見えだったが、初めて彼女の素顔をまともに観た気がする。そして、可愛いというよりは典型的な美人タイプであることに、今回初めて気づいた。
 久しぶりに出演の斉藤由貴にも期待したのだが、彼女の演技ではなく、その酷い役柄には幻滅。ラストが気持ちのいい終わり方なのが、せめてもの救いだった。ただ、私の近くに座っていた女性が、クライマックスシーンからラストまで延々と泣いていたところを見ると、小池・玉木両主役のファンにとってはたまらない作品なのかもしれない。少なくとも、私のような人間は、この作品のターゲット層からは完全に逸脱しているようだ。