評     価  

 
       
File No. 0681  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年02月02日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   佐々部 清  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   オレの夢は消えていない。
それは、家族のなかに生きている。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   三宅 裕司 [as 香取卓]
真野 響子 [as 香取幸子]
藤澤 恵麻 [as 香取詩織]
AYAKO(中ノ森BAND) [as 香取歌織]
金井 勇太 [as 木村充]
中ノ森BAND
ガガガSP
田山 涼成 [as 蕎麦屋の主人]
岩城 滉一 [as 榊健太郎]
モト冬樹 [as 丸山勉]
入江 若葉 [as 菊島靖代]
松方 弘樹 [as 菊島喜一]
 
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あ ら す じ    平凡なサラリーマンの香取卓は、妻・幸子、長女・詩織、次女の詩織の4人家族で、夕食だけは必ず全員が揃って食べることをルールにしていた。ある日、会社帰りにふとしたことから一人暮らしの青年木村充と知り合い、香取が今時家族揃って食事をするのが信じられないという充を家に連れ帰った。このことがきっかけで、やがて詩織と充は惹かれ合ってつきあうようになる。
 次女の歌織は仲間とバンド活動をしており、ライブハウス“マークII”のオーディションを受けたところ、オーナーのに気に入られ採用される。榊は、歌織が卓の娘であることを知って驚く。榊と卓は学生時代に、“マークI”でデュオを組んで歌っていたのだ。そして、2人が歌っていたライブハウスでウェイトレスをしていたのが幸子だったのだ。
 詩織はスーパーのバイトを終えた後に蕎麦屋で修行をする充に弁当の差し入れをすることが多くなり、歌織もバンドの演奏が週2日入ったために、香取家では夕食の団欒に4人が揃わないことが多くなる。卓は、家族がバラバラに成ってしまったと意気消沈するのだが、詩織も歌織も決して離れていってしまったわけではなかった。そのことを卓が知る日が、やがて訪れるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    タイトルからもわかる通り、吉田拓郎の往年の名曲をフィーチャーした作品。実を言うと、三宅裕司が好きではないために劇場で観るつもりはなかったのだが、ぴあの出口調査で1位になったために急遽予定を変更して劇場へ行った作品。観客の年齢層が異様に高く、9割以上は60歳を越えた熟年夫妻で、20代の観客は見当たらないのには驚いた。おそらくは、70年代に吉田拓郎に夢中になった20代〜30代の人たちが集まったためだろう。私の場合は小学生の時の担任が変わり者で、音楽の時間には教科書を一切使わずに吉田拓郎や井上陽水をテープに録音してきて、テープに合わせて全員で歌うという授業を受けたため自然と感化されて拓郎好きになっていた。「今日までそして明日から」などは拓郎の中でも最も好きな曲のひとつで、劇中で流れた時には思わず周囲に聞こえないように小声で口ずさんでしまったほどだ。そして、驚いたのは、私の隣に座っていた70歳近いと思われる男性がハンカチで涙を拭っていたこと。しかも、彼だけではなく、他にも何人かが泣いているらしい様子がうかがわれ、何を隠そうこの私も涙をこらえることができなかったのだ。ストーリーは陳腐かもしれないが、夫婦や家族の絆といった、現在ではおろそかになりがちな人と人との結びつきの暖かさ、大切さが身にしみて感じられる作品だと思う。おかげで、今まではキライだった三宅裕司を見直した・・・・・と言いたいところだが、やはりあのカバ顔はどうしても好きになれない(笑)。