評     価  

 
       
File No. 0682  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年02月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マーク・フォスター  
       
上 映 時 間   129分  
       
公開時コピー   この誓いは今、君に届くだろうか。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ハリド・アブダラ [as アミール]
ホマユーン・エルシャディ [as アミールの父]
ゼキリア・エブラヒミ [as 少年時代のアミール]
アフマド・ハーン・マフムードザダ [as 少年時代のハッサン]
ショーン・トーブ [as ラヒム・ハーン]
アリ・ダネシュ・・バクティアリ [as ソーラブ]
アトッサ・レオーニ [as ソラヤ]
 
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あ ら す じ    ソ連侵攻直前の、まだ平和だったアフガニスタン。裕福な家庭に育った12歳の少年アミールと、彼の家の召使いの息子ハッサンは、身分の違いを越えて強い絆で結ばれた親友だった。その冬、恒例の凧上げで優勝したアミールとハッサンだったが、その後ある事件が起きた。凧を追ったハッサンを迎えに行く途中で、アミールはハッサンが街の不良少年たちから暴行を受けているのを見ながら、勇気を出せずに見過ごしてしまったのだ。
 事件のことでハッサンに対して負い目を感じたアミールは、それ以後ハッサンを遠ざけるようになる。そればかりか、自分の腕時計をハッサンの部屋に隠し、ハッサンに盗まれたとに訴えたのだ。ハッサンとその父親は、アミールの父の制止も振り切って召使いを辞して屋敷から退去してしまう。間もなく、ソ連のアフガン侵攻が始まり、アミールの父は屋敷を友人のラヒム・ハーンに託し、アミールを連れてアメリカへと亡命するのだった。
 20年後、苦労の末にアメリカで念願の作家デビューを果たしたアミールのもとに、アフガニスタンのラヒム・ハーンから1本の電話が入る。ハッサンに対する後悔の念という棘が心に刺さったままだったアミールは、タリバン政権下のアフガニスタンへと向かう決心をする。“君のためなら千回でも・・・・・”と言ってくれた、ハッサンの信頼に応えるために。しかし、アフガンでラヒム・ハーンに再会したアミールは、彼から思いがけない真実を聞かされる。「ハッサンが死んでしまった」と・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    アミールとハッサン、2人の少年時代を描いた前半が秀逸。特に、アフマド・ハーン・マフムードザダが演じるハッサンの、人種の違いを卑下することのない健気さが胸を打つ。そして、かけがえのないともであるはずのハッサンを、少年特有の潔癖さ故に突き放してしまうアミール。子供は時としてあまりに無邪気でかつ残酷だ。アミールにそんな受けたにもかかわらず、アミールを憎むことを知らず、ずっと変わらない友情でアミールを信じ続けたハッサン。ろくな教育も受けられず、独学で文字を学びアミールに「故郷で親友が待っている」と手紙を書いたハッサン。そんな彼のまっすぐな思いに応える術を失ったアミールの心中は計り知れない。「君のためなら千回でも」と言ったハッサンの言葉は、決して主従関係からではなく、アミールをかけがえのない対等な友人として思う真摯な気持ちの表れで、それだけに心に響いて消えることのない余韻をもたらす言葉だった。