File No.0684
製作年/公開日 2007年 / 2008年02月16日 製  作  国 イギリス / フランス
監      督 シェカール・カプール 上 映 時 間 114分
公開時コピー
 敵は、外にも中にも
そして私の心にも。
最初に観たメディア
 Theater  Television  Video
キ ャ ス ト
 ケイト・ブランシェット [as エリザベス女王一世]
 ジェフリー・ラッシュ [as フランシス・ウォルシンガム]
 クライヴ・オーウェン [as ウォルター・ローリー]
 リス・エヴァンス [as ロバート・レストン]
 ジョルディ・モリャ [as スペイン国王フェリペ二世]
 アビー・コーニッシュ [as エリザベス・スロックモートン]
 サマンサ・モートン [as スコットランド女王メアリー・スチュアート]
 トム・ホランダー [as アミアス・ボーレット]
 エディ・レッドメイン [as トマス・バビントン]
あ ら す じ  16世紀。亡き父の意志を継ぎプロテスタントの女王として即位したエリザベス一世は、国内には未だエリザベスの転覆を狙うカトリック信奉者が後を絶たず、ヨーロッパ列強もイングランドの占領を目論んでおり、心休まる暇もない日々を送っていた。特に、彼女の亡き姉の元夫であるスペイン国王フェリペ二世は、ヨーロッパ全土をカトリック教国にせんと、ことあるごとに圧力をかけてきていた。彼女の背後では有能な参謀フランシス・ウォルシンガムがスパイ組織を指揮し、陰謀の種をつみ取ることで彼女を支えていた。
 エリザベスを悩ませるもう一つの不安因子は、妾腹のエリザベスの即位は不相応で自分こそが正当なイングランド女王だと主張する、カトリック派のスコットランド女王メアリー・スチュアートで、フェリペ二世が軟禁状態にある彼女をイングランド女王にすべく暗躍していたのだ。そんな状況に置かれたエリザベスの唯一の安らぎは、次女エリザベスと過ごす時間だったが、やがて一人の男によって彼女の秩序は大きく乱される。その男とは、新世界から帰還した航海士のウォルター・ローリーだった。教養もあり未知の世界を語るウォルターにエリザベスは惹かれていき、またウォルターもエリザベスに尊敬を超えた感情を抱くようになるのだった・・・・・。
たぴおか的コメント  ケイト・ブランシェットの演技がすべて。常に貫禄と威厳をたたえたエリザベス女王は観るものを圧倒する迫力があり、そして時折見せる自由な女性として生きられない悲しみや弱さといった彼女の裸の心、そのあたりの演じ分けはさすがというべきだろう。そして、98年の『エリザベス』に引き続きフランシス・ウォルシンガムを演じるジェフリー・ラッシュやクライヴ・オーウェンの芸達者ぶりに加え、『プロヴァンスの贈りもの』『キャンディ』で注目のアビー・コーニッシュの可愛さが花を添えており、バランス感にも優れている。ただ、それでいて今ひとつの印象を受けたのは、私と同じ男性のウォルター・ローリーが、どうにも共感できないキャラクターであったためだろうか。以前、『アメリカン・ギャングスター』を一緒に観に行った女性は、『アメリカン〜』よりもこちらの作品が面白いと言っていたが、私はその逆。女性は自然と主人公のエリザベスに自分を移入して観てしまうのに対して、男性である私はそれができずに、自分を置く対象がウォルターになってしまう、その違いが評価の違いとなって現れたのだろう。