評     価  

 
       
File No. 0694  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年03月01日  
       
製  作  国   ルーマニア  
       
監      督   クリスティアン・ムンジウ  
       
上 映 時 間   113分  
       
公開時コピー   これは
二人だけ
の秘密。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アナマリア・マリンカ [as オティリア]
ローラ・ヴァシリウ [as ガビツァ]
ヴラド・イヴァノフ [as ベベ]
アレクサンドル・ポトチェアン [as アディ]
ルミニツァ・ゲオルジウ [as アディの母]
アディ・カラウレアヌ [as アディの父]
 
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あ ら す じ    1987年、チャウシェスク独裁政権下のルーマニア。大学生のオティリアとそのルームメイトのガビツァの2人は、朝からある事に向けての準備に余念がなかった。オティリアは寮を出て恋人のアディに会うが気もそぞろで、その日の夜に開かれるアディの母の誕生パーティに誘われても生返事ばかりで、アディの気分を著しく害してしまう。それからオティリアは、ガビツァが入れた予約の確認のため、ガビツァに言われたホテルを訪れる。しかし、フロントでは予約は受けていないと断られてしまい、やむなく別のホテルを予約する。そして、体調がすぐれないガビツァ代わって、ある男に会いに行くよう頼まれるのだった。そして、ガビツァに代わって会った男ベベは、本人ではない人間がやってきて、しかも頼んでいたのとは別のホテルへ行くことに対して不満を露わにするのだった。
 ベベの車でホテルに着くと、部屋でガビツァが待っていた。ベベは約束が違うと2人を責める。ガビツァがベベに依頼していたのは、法律で禁じられている妊娠中絶だったのだ。しかも、用意していた金額では話にならないと、ベベは帰ろうとする。既に妊娠4ヶ月を過ぎた今、この機会を逃すと中絶手術をするチャンスはないと、ガビツァは必死でベベを引き留めようとする。すると、ベベは2人にある代案を提示してくるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    2007年のカンヌ国際映画祭で、最高賞であるパルムドールを受賞した作品。そう意識して観れば「なるほど」と思えなくもないが、知らずに観ればとりたてて面白いとも感じないように思える。確かに、チャウシェスク独裁政権末期のルーマニアで、違法な妊娠中絶を行う緊迫感はひしひしと伝わってくるが、それが「個人の自由が極端に制限された」こととは結びついてこない。そもそも妊娠中絶は日本では5ヶ月までは法律で認められているとはいえ、突き詰めるところひとつの生命を奪う行為に他ならない。従って、妊娠中絶を国家が法律で禁じたとしても、一概に不条理だとは言えないだろう。快楽を享受するならば、それには必ず責任が付随することを忘れてはいけない。その意味では、オティリアのルームメイトのガビツァは、自分の妊娠中絶にもかかわらずすべてをオティリア任せで、成熟した大人の人間とは言い難い。だからこそ、産む気もないのに妊娠してしまうのだろうけど。