評     価  

 
       
File No. 0699  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年03月08日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   万田 邦敏  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   究極の愛が行き着いた、衝撃の結末。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   小池 栄子 [as 遠藤京子]
豊川 悦司 [as 坂口秋生]
仲村 トオル [as 長谷川弁護士]
篠田 三郎 [as 秋生の兄]
 
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あ ら す じ    白昼の閑静な住宅街で、親子3人が鈍器で撲殺される事件が起きる。そしてまもなく、坂口秋生と名乗る男がマスコミに自らが犯人であることを告げ、多くのテレビカメラに囲まれる中、警察に身柄を確保されるのだった。偶然テレビの坂口の逮捕の有様を見た遠藤京子は、逮捕の瞬間に微笑みを浮かべた坂口に衝撃を受け、自分と相通じるものを感じる。そして、コンビニでノート数冊とあるだけの新聞を購入すると、坂口に関する記事のスクラップ作成りを始めた。
 京子は平凡な独身のOLで、家族とは疎遠で親しい友人もなく、会社では同僚から都合のいいように利用され、孤独な生活を送っていた。そんな京子の生活が、坂口を知った日を境に一変する。坂口の公判に訪れた京子は、帰り際に坂口の国選弁護人である長谷川を呼び止め、坂口に差し入れをしたい、そのために自分のことを坂口に話して欲しいと頼むのだった。
 長谷川は坂口の弁護人となったものの、一貫して表情ひとつ変えずに、頑なに口を閉ざしたままの坂口に困惑していた。そんな坂口に他人とは思えない親近感を抱いているという京子は、長谷川の目には奇異な存在に映った。しかし、坂口へ差し入れや手紙のやりとりを繰り返す京子を気遣ううち、やがてその気持ちは同情から愛情へと変わっていくのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    小池栄子の熱演が光る。彼女は今まで正直言って単にグラビアアイドルのひとりという認識しかなかったのだが、この作品で彼女に対する株がかなり上がった。特にラストシーンの緊迫感は、彼女が演技者として非凡な才能の持ち主であることの証左だろう。そこで京子がどういう行動に出るのかが予想できるだけに、かえってそのシーンを目の当たりにした衝撃は大きい。ただ、惜しまれるのは、彼女が熱演するあまり、対する豊川悦司扮する坂口の冷めたキャラクターとのギャップに違和感を感じてしまうこと。また、今ひとつ理解できない点があることも事実。坂口にとって罪と罰のいずれが主でいずれが従なのか。つまり、罪を犯したから罰を受けるのか、それとも罰を受けるために罪を犯したのか。また、作品のタイトルでもある“接吻”だが、なぜラストで京子がそれを交わした相手が坂口でなく長谷川なのか。下手な邪推をすると作品を台無しにしてしまいそうなので、謎は謎としてそのままにしておくことにしたい。