先日『ジャンパー』のラストシーンでほんの申し訳程度の出演だったダイアン・レインの主演作。美人は年齢を重ねてもやはり美人なのだな、と、変な所に感心しながら観たのだが、これが意外に面白かった。殺人のライブ中継映像がグロいのは否定できず、そのあたりがR-15指定となった所以だろう。しかし、犯人がわかるまでのミステリー的な要素と、犯人がわかってからのサスペンス的な要素がうまく配分してあって、この手の作品にありがちな陳腐さを感じさせない。そして犯人役のジョセフ・クロスが、頭はいいがコンピュータだけが友達で引きこもりがちといった雰囲気の、偏執狂的なキャラクターを完璧に作り上げている。ただ、センスのかけらも感じられない『ブラックサイト』という邦題はやめて欲しかった。原題そのままで『アントレーサブル』や、サイト名『Kill With Me』の方がマシ。