評     価  

 
       
File No. 0720  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年04月12日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ロビン・スウィコード  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー  
ワインとおしゃべり、時々 恋
それが女たちの読書会。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   キャシー・ベイカー [as バーナデット]
マリア・ベロ [as ジョスリン]
エミリー・ブラント [as プルーディー]
エイミー・ブレネマン [as シルヴィア]
ヒュー・ダンシー [as グリッグ]
マギー・グレイス [as アレグラ]
リン・レッドグレーヴ [as スカイ]
ジミー・スミッツ [as ダニエル]
マーク・ブルカス [as ディーン]
ケヴィン・ゼガーズ [as トレイ]
 
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あ ら す じ    恋愛に興味がないと公言する独身主義者のブリーダー、ジョスリンが最も愛情を注いだ愛犬が死んだ。悲しむ彼女を見た友人のひとり、6回の結婚歴と離婚歴を誇るバーナデットはジョスリンを元気づけるために、人生最高の解毒剤と礼賛するジェイン・オースティンの読書会を開くことを思いつく。ところが、励ます対象は20年以上連れ添った夫ダニエルから突然離婚を突きつけられたシルヴィアに変わるのだった。
 オースティンの6冊の長編小説にちなみ、1冊ごとにリーダーを決めることとなり、あと3人のメンバーを探すことになった。4人目は、「オースティン映画祭」で見つかる。独自のオースティン論を展開する高校教師のプルーディーで、彼女は仕事とはいえ妻とのフランス行きよりもMBA観戦を優先する夫ディーンに嫌気がさし、生徒のトレイに惹かれていた。5人目はシルヴィアの娘アレグラを引き込み、最後のひとりはジョスリンがシルヴィアの相手にと目論んで連れてきた、唯一の男性にして熱狂的なSFファンのグリッグとなった。6人は初顔合わせで担当を決め、いよいよ月1回の読書会が幕を開ける・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ジェイン・オースティンとは、2006年に公開されたキーラ・ナイトレイ主演作『プライドと偏見』(本作中では『自負と偏見』)の作者という程度の知識しかなかった。あの文豪サマセット・モームが世界の十大小説に『プライドと偏見』を選んでおり、夏目漱石もまた「は写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技神に入る」と絶賛しているとのこと・・・・・とは、映画を観た後にネットで調べてわかったことだ。作品は、6人の寄せ集めメンバーが読書会を重ねるうちに、次第にオースティン解釈が板に付いてきて、やがて自分をさらけ出した議論になっていくのが面白い。しかし、ただそれだけではなく、その時々のメンバーそれぞれが置かれているシチュエーションと小説が微妙にシンクロしていて、脚本の巧さがうかがわれる。そして、紅一点の逆に女性の中にただひとりの男性であるグリッグを演じたヒュー・ダンシーの存在がスパイスの役割を果たしていて、作品に一種の爽快感を加えている。結局は全員が読書会を開く前の状態を脱却してハッピー・エンドとは、他の作品ならばやり過ぎと言いたいところだが、このユーモアに富んだ作品にはその極端さがふさわしく気持ちがいい。