評     価  

 
       
File No. 0741  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年05月17日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マイク・ニコルズ  
       
上 映 時 間   101分  
       
公開時コピー   たったひとりで世界を変えた
本当にウソみたいな話。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   トム・ハンクス [as チャーリー・ウィルソン]
ジュリア・ロバーツ [as ジョアン・ヘリング]
フィリップ・シーモア・ホフマン [as ガスト・アブラコトス]
エイミー・アダムス [as ボニー・バック]
ネッド・ビーティ [as ドク・ロング]
オム・プリ
エミリー・ブラント
ケン・ストット
ジョン・スラッテリー
デニス・オヘア
 
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あ ら す じ    チャーリーズ・エンジェルと呼ばれる美人揃いの秘書を抱えた、テキサス州選出の国会議員チャーリー・ウィルソンは、酒と女性をこよなく愛するお気楽な国会議員。彼の最大の功績は5期連続で選出されたことという、お世辞にも仕事熱心な政治家とは言い難かったが、持ち前のおおらかな人柄で周囲の人からは愛される存在だった。
 そんな彼は、ある日テキサスで6番目のセレブのジョアン・へリングから、アフガニスタンの人々を救って欲しいと頼まれる。早速秘書のボニー・バックを伴ってアフガニスタンへ飛んだチャーリーは、現地の人々の苦境とアフガンに対するアメリカの消極的な姿勢を知り、ソ連を撤退させるために尽力する決意をする。
 帰国したチャーリーは、CIAを巻き込むべく手配をする。CIAからやって来たのははみ出し者のガスト・アブラコトスだったが、彼の協力を得たチャーリーは、アフガニスタンを救うための一大プロジェクトを実行に移すのだった。
 
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たぴおか的コメント    「たったひとりで世界を変えた」なんてコピーにはあるが、ハッキリ言ってこれは誇大広告。彼一人の力でソ連がアフガンから撤退したワケではなく、そこにはガストをはじめとする多くの協力者がいてこその話。加えて、彼のしたことといえば各方面に働きかけて金を捻出しただけで、結局ソ連はアメリカがつぎ込んだドルに負けたのだ。むしろ、ジュリア・ロバーツ扮するジョアンが「たった一言で世界を変えた」とした方が的を射ていると思う。キャストはトム・ハンクスを筆頭に、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマンと3人のオスカー受賞者が名を連ね、チャーリーの秘書ボニーを演じたのが『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスと豪華なのだが、中身は残念ながら浅薄な作品だった。トム・ハンクスはのびのびと楽しそうに演じていたが、私にとっては、抜群に可愛いエイミー・アダムスと、フィリップ・シーモア・ホフマン扮するガストのコミカルな演技を観ている方が面白い。また、いかに東西冷戦時代の話とはいえ、理屈抜きに共産主義=悪という理論の押しつけはいかがなものか。アフガンへの干渉に及び腰だったアメリカが、チャーリーを英雄化し彼の行動を正当化するための図式と勘ぐりたくなる。