評     価  

 
       
File No. 0752  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年05月31日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   クァク・ジェヨン  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   ねぇ、ジロー。
あなたと過ごした大切な一日。
私は、何度生まれ変わってもあなたに恋をするよ。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   綾瀬 はるか [as 彼女]
小出 恵介 [as ジロー]
桐谷 健太
吉高 由里子
斉藤 歩
田口 浩正
遠藤 憲一
小日向 文世
竹中 直人
吉行 和子
 
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あ ら す じ    誰も誕生日を祝ってくれる人のいない大学生のジローは、1年前の2007年の誕生日を忘れられなかった。その日、自分への誕生日プレゼントを買ったデパートで、彼は魅力的な彼女に遭遇した。焦げたようなボディスーツの彼女は、商品のワンピースに着替えて支払いもせずに出て行ったかと思うと、ジローが食事をするレストランにまでついてきて、一緒に食事をすることになった。支払いは自分がするという彼女の言葉にレストランを出たが、何と無銭飲食で警察に追われるハメになり、ジローは彼女の強引なペースに引っ張り回されながらも、急速に彼女に惹かれていった。そして、突然の別れと、その間際に見せた彼女の涙。ジローにとっては、それまでの人生の中でも最も忘れられない大切な時間だった。
 そして2008年の誕生日、彼は1年前の彼女に会えないかと空しい期待を抱きながら、1年前と同じレストランで食事をしていた。すると、彼のテーブルにバースデーケーキが運ばれ、目の前に再び彼女が現れる。しかし、姿形は変わらないが去年とはどこかが違う、そんな違和感を彼女に感じる間もなく事件は起こった。ひとりの男がレストランでいきなり銃を乱射したのだ。ところが、その銃弾に撃たれそうになったジローを彼女が助けた。そして、部屋へ連れ帰った彼女から驚くべき事実が告げられる。彼女は、レストランでの乱射に撃たれて障害を負った未来のジローが、2008年のジローを助けるために送り込んだサイボーグだったのだ。そして、変えられてしまった歴史を元に戻そうとする力が働いて、彼には必ず災難がふりかかるという。こうしてジローは、彼を守るために片時もそばを離れない彼女との共同生活を始めるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    あの『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』でチョン・ジヒョンを一躍スターダムへとのし上げた、クァク・ジェヨン監督を招いて制作された邦画作品。タイムマシンでの登場の仕方といい、どうやら『ターミネーター』の影響を多分に受けているらしい。粗を指摘させてもらうと、綾瀬はるか扮する彼女はサイボーグではない。サイボーグとは“Cybernetic Organism”の略で、電子機器等の人工物で身体機能の補強や強化を行った人間のことであり、当然泣いたり笑ったりという感情も有する。この作品の彼女はロボット、あるいはアンドロイドと言うべきだ。ちなみに、アンドロイドとはギリシャ語で「男性」を意味する"andro"と、「もどき」を意味する"oid"の合成語であり、アンドロイドは厳密には男性名詞であるため、女性型人造人間はガイノイド(gynoid)と呼ばれるとのこと。ここでは面倒なので以下“アンドロイド”と呼ばせてもらうことにする。
 余談はこれくらいにして、とにかく主演の綾瀬はるかがスクリーンいっぱいに魅力を振りまいてくれている。彼女のグラマラスなスタイルがアンドロイドにぴったりで、監督の指導もあったというアンドロイドとしての動作も見事で、これ以上はない適役だと言っていいだろう。また、様々なコスチュームに身を包んだ彼女が実に可愛くて魅力的で、ドラマ『ホタルノヒカリ』の干物女と同一人物だとは信じ難い(笑)。コピーには「あなたと過ごした大切な一日」とあるが、実はこの意味がわからなくてずっと引っかかっていた。これは『猟奇的な彼女』でも見られたクァク監督得意のサービス精神の表れで、ラストになって初めてその意味がわかるのだが、そういったどんでん返しがクドく感じてしまい、どうやら逆効果となってしまったような気がする。確かに、きっちりと矛盾のないような伏線が敷かれてはいるのだが、こういった作品の場合には一切の贅肉は削ぎ落とし、単純に「未来からアンドロイドがやって来て主人公を助けた」の方がいいと思う。とは言うものの、最初にも書いた通り綾瀬はるかの魅力がすべてと言っていい作品で、その意味では充分過ぎるほど満足できる内容だった。