評     価  

 
       
File No. 0758  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年05月31日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   麻生 学  
       
上 映 時 間   135分  
       
公開時コピー  
見えない犯人、見えない真実
答えは《財布》だけが知っている
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   長塚 京三 [as 響武史]
仲村 トオル [as 河野康平]
谷原 章介 [as 塚田和彦]
平山 あや [as 佐藤雅子]
大森 南朋 [as 宮崎優作]
酒井 美紀 [as 木田恵梨子]
窪塚 俊介 [as 三木一也]
伊藤 裕子 [as 森元法子]
西田 尚美 [as 西方早苗]
床嶋 佳子 [as 三木真理子]
吹越 満 [as 佐々木祐介]
佐藤 藍子 [as 宮崎邦子]
石井 正則 [as 高井信雄]
佐藤 めぐみ [as 中川美咲]
田中 幸太朗 [as 青沼亮]
上原 美佐 [as 三津田幸恵]
金子 賢 [as 寺島裕之]
谷村 美月 [as 三室直美]
小清水 一揮 [as 小宮雅樹]
 
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あ ら す じ    東京郊外で男性の轢死体が発見される。一見事故かとも思われたが、遺体の頭部には殴打された痕跡があり、また妻を受取人にした3億円もの生命保険に男が加入していたことが判明し、殺人事件として捜査が開始される。事件を担当したのは、綾瀬東署の刑事部長響武史だった。そして、被害者の妻森元法子にはアリバイがあったが、彼女の愛人である塚田和彦にはアリバイがなかった。響は実行犯を塚田と睨み、部下の寺島と共に捜査を進めていく。
 西方早苗は、間近に控えた結婚の準備に忙しい毎日を送っていた。しかし、ある些細な事件をきっかけに、結婚相手の塚田和也に対して疑いを抱き、私立探偵の河野康平に塚田の身辺調査を依頼する。そして、河野の調査の結果塚田は結婚歴があることを早苗に隠していたこと、しかも、前妻の死によって巨額の保険金を受け取っていたことが判明する。しかし、時既に遅く、早苗は遺体となって発見されるのだった。
 佐藤雅子は河原で財布を拾って以来、不審な男につけ回されるようになった。そんな時、雅子は三木一也と知り合い、以来彼は親身になって不審な男から彼女を助けてくれようとする。ところが、ある時を境に三木は雅子の前からぷっつりと姿を消してしまう。
 木田恵梨子の手元にある1枚のカード、そこに記された名前は塚田和彦。以前、見知らぬ塚田が恵梨子の元に電話を借りに訪れた際に、忘れていったカードだった。そして、その日はちょうど都内で森元法子の夫が轢き逃げされた日であり、それは轢き逃げ事件に対して塚田には確固たるアリバイがあることを意味していた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    宮部みゆきの同名小説を映像化した作品。全部で9つの章から構成されており、各章のサブタイトルは「○○の財布」という具合にすべて財布にまつわる展開となっている。それはいいのだが、ナレーションまで財布にさせるとは・・・・・財布に語らせてどうする?財布に語らせることが後々何らかの意味を持つのかとも思ったが、結局のところそのことには意味などなく単に奇をてらっただけのようだった。
 この作品、そもそもWOWOW用のドラマとして制作されており、すでに2007年11月にオンエアされている。単なるテレビドラマにしては、キャスティングが驚くほど豪華で、WOWOWでの放映だけでは勿体ないということで劇場でも公開する運びとなったのだろう。登場人物がやたらと多いのだが、観ている者に解りやすく作られているために混乱することなく観ることができる。ただ、元々テレビドラマ枠向けに作られているだけに、2時間サスペンスドラマの域は超えておらず、劇場のスクリーンで観るべき作品ではないと思われる(ただ、WOWOW加入者以外は劇場でしか観ることができないのだが)。また、保険金殺人の実行犯が実に唐突過ぎる人物であるために、実行犯がわかってしまうと途端に現実味が薄れてしまう。そして、その動機は私には全く理解不能で、無理矢理こじつけたような不自然さを感じてしまった。私はこの手のサスペンスは嫌いでないから、粗も目立つものの、実行犯がわかるまでは結構面白く観させてもらったが。