評     価  

 
       
File No. 0762  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年06月07日  
       
製  作  国   スペイン / フランス / アメリカ  
       
監      督   トム・ケイリン  
       
上 映 時 間   97分  
       
公開時コピー   僕は母を殺した。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   ジュリアン・ムーア [as バーバラ・ベークランド]
エディ・レッドメイン [as アントニー・ベークランド]
スティーヴン・ディレイン [as ブルックス・ベークランド]
エレナ・アナヤ [as ブランカ]
ウナクス・ウガルデ [as ブラック・ジェイク]
ベレン・ルエダ [as ピラール・デュラン]
ヒュー・ダンシー [as サム・グリーン]
 
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あ ら す じ    明るく穏和な性格で天性の社交家のバーバラは、大富豪のブルックス・ベークランドと結婚し、それまでの貧しい生活から抜け出すことに成功した。憧れていた上流階級での華やかな毎日を謳歌するバーバラは、やがてブルックスとの間に待望の息子アントニーを授かった。
 1967年、スペインのカダケスに住んでいたベークランド家は、一見仲睦まじい家族に見えたが、その時既に破綻は始まっていた。母親の上流志向に嫌悪感を抱くアントニーは、海岸で声をかけた女性ブランカと関係を持つ。また、ブルックスのバーバラに対する態度は既に冷ややかだった。そして、ある時知り合いを迎えに行った空港で、バーバラは信じられない光景を目にする。そこにいるはずのないブルックスと、彼の隣に寄り添うのはアントニーの恋人であるはずのブランカだった。このことがきっかけで、バーバラは自殺未遂にまで追い込まれるのだった。
 ブルックスは家に帰らなくなり、次第にバーバラはアントニーへ依存し始める。そして、不自然に歪んだ母と息子の関係は、やがて訪れる悲劇に向かって坂道を転がるように堕ちていく・・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    正直言って、ジュリアン・ムーアが「美しすぎる」というのは大いに疑問があった。そして、実際に観てみたら、やっぱり美しくない(笑)。顔の造り云々という以前に、肌がお世辞にも綺麗とは言えないのは致命的だ。もっと他の女優を選ぶことができなかったものだろうか、とつくづく思う。たとえば、ローラ・リニーとか。と言うより、例によって例のごとく邦題がお粗末なのだ。どう考えても間違っているとしか思えないのだ。ジュリアン・ムーアをして『美しすぎる母』とは、あまりに説得力に欠ける。『奔放すぎる母』だったらまだわかるのだが。
 作品は実話に基づいて書かれた小説“SAVAGE GRACE”を映像化したもので、エンディングではその後アントニーがどういう末路をたどったが説明されていた。ただ、この作品は実話を描いたものではなく、あくまで小説の映画化なのだから、もっと見せ方を考えるべきではないか。美貌の母と厳格な紳士を装いながら実は自信のない父の間で育ってきた青年が、何をどう感じて、何がきっかけで母親を刺殺するまでに(実は彼が手にかけたのは母親だけではなかったのだが)歪んでしまったのか、その過程の描写があまりにも浅過ぎて、青年が母親を刺したのが何の脈絡もない突発的な行為にしか見えない。必然性を著しく欠いているのだ。そして、これは根幹に関わることではなく枝葉の部分かもしれないが、バーバラの27歳から52歳までを描いているのだが、ジュリアン・ムーアの見た目の年齢が全く変化していないように思える。撮影当時46〜47歳の彼女が20代の女性を演じること自体かなり無理があるのだが、それにしても若作りのメイクは完全に失敗したということか。まぁ、今まで一度も美しいと感じたことがない女優が主演しているという時点で、観たらハズす可能性が大であることを覚悟するべきだったのだろう。