評     価  

 
       
File No. 0771  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年06月28日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ポール・ハギス  
       
上 映 時 間   121分  
       
公開時コピー   真実を語る、勇気はあるか?  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   トミー・リー・ジョーンズ [as ハンク・ディアフィールド]
シャーリーズ・セロン [as エミリー・サンダース]
スーザン・サランドン [as ジョアン・ディアフィールド]
ジョナサン・タッカー [as マイク・ディアフィールド]
ジェームズ・フランコ [as カーネリー大佐]
フランシス・フィッシャー [as エヴィ]
ジョシュ・ブローリン [as ブシュワルド署長]
ジェイソン・パトリック [as カークランダー警部補]
ジェイク・マクラフリン [as ゴードン・ボナー]
メカッド・ブルックス [as エニス・ロング]
ヴィクター・ウルフ [as ロバート・オーティス]
 
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あ ら す じ    退役した元軍警察官ハンク・ディアフィールドとその妻ジョアンは、息子マイクが軍から失踪したとの知らせを受ける。息子に限って無許可離隊などあり得ないと信じるハンクは、妻を家に残してひとりフォート・ラッドの軍基地へと向かった。
 ハンクは既に帰国しているマイクと同じ隊の仲間たちに尋ねてみるが、誰一人としてマイクの行方を知る者はいなかった。ハンクは地元警察を訪ね、女性警官のエミリー・サンダースにマイクの捜索を依頼するが、エミリーは軍人の捜索は軍警察の仕事だと取り合ってくれなかった。そんな矢先、ハンクの元へと届けられた知らせ、それはマイクが焼死体となって発見されたという悲惨なものだった。
 ハンクはエミリーの手を借りてマイクの死の真相を探ろうとするが、遺体発見現場が軍の管轄地であったために、警察も捜査権を行うことができなかった。しかし、エミリーと2人で遺体の発見現場を調べたハンクは、マイクが軍の管轄地外で殺害された後に軍の管轄地内へ運ばれたことを突き止める。こうしてハンクは一つ一つマイク殺害の真実へと迫っていくが、やがてマイクに関する事実が明らかになっていくにつれ、ハンクは思いもよらない息子の衝撃的な真実と対面することになるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ノーカントリー』に引き続いてこれほど早く対面することになるとは思わなかったトミー・リー・ジョーンズが主演の作品。彼の重厚でかつ淡々とした演技が徐々に真実へと迫っていくのがこの作品の見所の一つなのだが、私は別の目的があってこの作品を観たわけで、その別の目的とは言うまでもない、シャーリーズ・セロンの存在だ。
 この作品での彼女は、いつもの輝くような美しさは封印し、生きていくことで精一杯な女性刑事・エミリーを熱演しており、相変わらずひとつの役柄にかける想いはさすがにプロ中のプロだと再認識させられた。とは言っても、やはり彼女の土台の美しさだけは隠そうとしても隠しきれるものではないが。
 作品は主人公ハンクの調査と鋭い考察によって、次々に真実が明かされていくのだが、それによって今まで彼が知らなかった息子の一面を次々と突きつけられることになる。それらの思いもよらない息子の素顔を父親としてハンクがどう受け止めていくのかを注目したいのと同時に、戦争という魔物が兵士たちをどのように変えてしまうのか。登場人物の一人、マイクと同じ隊に所属したオーティスの言葉が端的にそれを言い表している。「最初イラクに行った時、帰りたいと思った。でも、帰還した今はイラクに帰りたい」。派手さこそないが、ひしひしと重みを持って観る者に訴えかけてくる作品ではある。