評     価  

 
       
File No. 0772  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年06月28日  
       
製  作  国   香  港  
       
監      督   チャウ・シンチー  
       
上 映 時 間   88分  
       
公開時コピー   超ビンボー親子が出遭ったのは、
救いの神か
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   チャウ・シンチー [as ティー]
シュー・チャオ [as ディッキー・チャウ]
キティ・チャン [as ユエン先生]
リー・ションチン [as カオ先生]
フォン・ミンハン [as 体育の先生]
ホアン・レイ [as ジョニー]
ヤオ・ウェンシュエ [as 暴龍]
ハン・ヨンホア [as マギー]
ラム・ジーチョン [as ボス]
 
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あ ら す じ    小学生のディッキーは、母親を亡くし父親のティーと2人で暮らしていた。ティーは学がないために、息子のディッキーにはちゃんとした教育を受けさせたいと、生活を犠牲にしてまでディッキーを金持ちの子女が集う名門小学校に通わせていたのだった。
 ある日、同じクラスの金持ち息子ジョニーが、学校に最新の犬のロボット“ミラクル1号”を持ってきて自慢する。自分もどうしても“ミラクル1号”が欲しくなったディッキーは、ティーに“ミラクル1号”を買ってくれとダダをこね、挙げ句にビンボーは嫌だと不満をぶつけてしまう。その夜、せめて息子にもう少しまともなスニーカーを与えようと、いつものゴミ捨て場にやってくる。ゴミの山には宇宙から飛来したUFOが着陸しており、緑色のゴムボールのような物体を残して飛び去った。ティーはUFOの存在にはまったく気づかなかったが、そこに残された緑の物体に気づき、持ち帰ってディッキーにプレゼントするのだった。
 早速緑の物体を学校に持って行ったディッキーは、ジョニーたちに最新の玩具ミラクル7号だ、と大見得を切ってしまう。けれども、それは単なる緑色の物体に過ぎず、いくら自慢してもジョニーたちの鼻をあかすことはできなかった。ところが、ディッキーが家に帰ってその物体をいじっていると、ふとした拍子にスイッチが入り、物体は犬のような四本足の生き物ともロボットともわからないペットに変身する。ディッキーはそれをナナちゃんと呼んでかわいがり始めるが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    TOHOシネマズを筆頭とする地元の劇場では、いずれも日本語吹替版しか上映していないのが気になった。調べてみると、都内でもシネコンではすべて日本語吹替版のみで(単館系ではシアターN渋谷で字幕版)、唯一お台場シネマメディアージュのみが字幕版と日本語吹替版の両方を上映していた。最近は字幕離れが進んでいるらしく、小学生や小さな子供はもちろんのこと、成人でも字幕を読むのを面倒がって日本語吹替版で観る人が増えているとのこと。家族向けまたは子供向けの色合いが強いこの作品が日本語吹替版が多いのも仕方ないことなのか。
 肝心の作品はというと・・・・・なぜか面白いと思えない。こういった香港映画らしいドタバタコメディを、(記憶が定かではないが)もしかしたら昔は面白いと思って観ていたのかも知れないが、今は苦笑するシーンはあっても心底笑えるシーンがない。“ナナちゃん”の造形はなかなか愛嬌があっていいとは思うが、『ネコナデ』の鬼塚トラを観た後では、本物の可愛さには到底かなうわけがない。また、“ナナちゃん”が最後に起こす奇跡もあまりに定番過ぎて、なんの意外性もなく感動を覚えることもない。むしろ、それまでお世辞にも大切に扱ってくれたとはいえないディッキーのためにあそこまでやるか?、という疑問というか違和感が残る。また、父親のティーがあれほど働いているのだから、あそこまでのビンボー暮らしはあり得ないはずで、そういった香港映画特有の誇張も鼻について仕方なかった。