評     価  

 
       
File No. 0784  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年07月19日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   宮崎 駿  
       
上 映 時 間   101分  
       
公開時コピー   生まれてきてよかった。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト
(声の出演)
  山口 智子 [as リサ]
長嶋 一茂 [as 耕一]
天海 祐希 [as グランマンマーレ]
所 ジョージ [as フジモト]
土井 洋輝 [as 宗介]
奈良 柚莉愛 [as ポニョ]
柊 瑠美 [as 婦人]
矢野 顕子 [as ポニョの妹たち]
吉行 和子 [as トキ]
奈良岡 朋子 [as ヨシエ]
 
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あ ら す じ    5歳の少年宗介は、父耕一が航海士で家を留守にすることが多かったために、崖の上で母リサと2人で暮らしていた。ある日宗介は、岩場でジャムの瓶に頭を突っ込んで抜けなくなり気絶している、真っ赤なさかなの子を見つける。宗介は瓶を割ってさかなの子を助け、彼女にポニョと名付けた。ポニョは宗介のことが好きになり、宗介もまたバケツの中で元気に泳ぎ回るポニョが好きになった。宗介はポニョを守ってあげると誓うが、そんな矢先ポニョは人間をやめて海の住人となった父親フジモトによって、海の中へと連れ戻されてしまう。
 ポニョは人間になりたい!とフジモトに訴えるが、フジモトは頑として聞き入れてくれなかった。そこで、ポニョは妹たちの力を借りて逃げ出すが、この時危険な力を持つ生命の水がまき散らされてしまう。ポニョの妹たちは巨大な水魚に変身してポニョを宗介の住む崖へと送り届け、宗介は人間の姿をしたポニョと再会する。しかし、海は荒れに荒れて台風が襲い、宗介たちが住む街は一夜にして海に飲み込まれて水没してしまう。
 自分が勤務するデイケアサービスセンター“ひまわりの家”が気になるリサは、宗介とポニョを家に残して車で出かけてしまう。翌朝になっても戻らないリサを探すため、宗介はポニョの魔法で大きくなった模型の船に乗って家を出るのだった。そして、その頃当のリサ本人は、ポニョの父フジモトと母グランマンマーレに会っており、ある相談をしていたのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ハウルの動く城』以来4年ぶりの宮崎監督作品。モチーフはあのあまりに有名な『人魚姫』で、宮崎監督が『人魚姫』から一切の宗教色を排除し、5歳の子供の純粋な愛と冒険のストーリーに昇華させた作品。最初、この作品の存在を知った時、そのあまりの脱力系なタイトルに失望し、さらにはポスターに描かれたポニョがあまりに可愛くなくてさらに失望させられたことを覚えている。ところが、実際に作品を観てみると、もちろん人間の姿になったポニョも可愛いのだが、さかなのポニョもなかなか愛嬌があって悪くない。特に、ビン詰めになったポニョやフジモトにこねくり回されるポニョは必見。
 内容は正直言うと子供向けのファンタジー、あるいは童話といった趣の作品だが、いい歳したオッサンの私が観ても決してつまらない作品ではない。確かに、ポニョも人間となる代償に失うものはあるが、それはあくまでモチーフとなった『人魚姫』のような哀感とは無縁で、ただひたすら暖かくて優しさにがいっぱいの宮崎監督のエッセンスにあふれている。宗介が母親であるリサを「リサ」と呼び捨てにしていたり、父親をやはり「耕一」と呼び捨てにしているため、最初は彼らの関係が理解できなかったという難点や、エンドクレジットではすべてのキャスト・スタッフが五十音順に一気に掲載されるために、誰が何を担当したのかがさっぱりわからないかったりはする。また、何カ所か「なぜ」と疑問に感じる点が出てくるのだが、説明のないままにどんどんストーリーが進行してしまう。たとえば、かつて人間であったフジモトがどうして海で生きるようになったのかとか、グランマンマーレが何者なのか、とか。そうは言うものの、それらの謎が解決できないと理解できない作品ではないから、理詰めで解説をしたがる輩には向いていない作品だということなのだろう。『ポケモン』とこの『ポニョ』、軍配がどちらに上がるのか興味津々だ。