評     価  

 
       
File No. 0795  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年08月09日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   クリストファー・ノーラン  
       
上 映 時 間   152分  
       
公開時コピー    

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   クリスチャン・ベイル [as ブルース・ウェイン/バットマン]
マイケル・ケイン [as アルフレッド]
ヒース・レジャー [as ジョーカー]
ゲイリー・オールドマン [as ゴードン警部補]
アーロン・エッカート [as ハーベイ・デント]
マギー・ギレンホール [as レイチェル・ドーズ]
モーガン・フリーマン [as ルーシャル・フォックス]
 
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あ ら す じ    ウェイン社会長のブルース・ウェインの裏の顔であるバットマンゴードン警部補の努力により、平和を取り戻しつつあったゴッサムシティ。新しく赴任した地方検事ハーベイ・デントは優秀でしかも正義感が強く、街では犯罪撲滅への期待が高まっていた。ところが、そこへ現れたジョーカーと名乗る凶悪な犯罪者のために、街は再び大混乱へと陥れられることとなった。
 街の要人を次々と抹殺しようとするジョーカーの魔手は、ついにハーベイ・デントやその恋人でブルースの幼なじみであるレイチェル、そしてゴッサム市長にまで及んでくる。デントとレイチェルの2人はブルースの働きによって事なきを得るが、バットマンの良き理解者でもあったゴードンがゴッサム市長を凶弾から身を挺して守った代償に命を落としてしまう。
 そのジョーカーが、意外に簡単に逮捕されてしまう。逮捕したのはゴードンで、彼は家族を守るために死んだと見せかけていただけだった。ところが、まんまと警察を抜け出したジョーカーは、市民に街の橋やトンネルに爆弾を仕掛けたと公言する。その言葉に恐れを感じた市民は2艘の船で街を出ようとしたが、実はその船にも爆弾が仕掛けてあったのだ。そして、互いの船に相手の爆弾の起爆装置を渡してあり、相手の船を爆破すれば残った一艘は助かると言う。さらに、ジョーカーの仕掛けた罠はそれだけではなかった。姿の見えなくなっていたデントとレイチェルもまた、ジョーカーに捕らわれて命の危機にさらされていたのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ハッキリ言って、この作品は凄い。前作『ビギンズ』もそうだったが、前作に輪をかけてひたすらリアルさを求めたような本作品の作りには、隙や粗といったものが見つからないほどだ。いたずらにバットマンを正義のヒーロー視することもなく、アメコミらしい漫画的な描写も一切見あたらないのだ。そして、152分という長尺を退屈させることなく一気に見せてしまうという、久しぶりにいい意味でも悪い意味でも「ハリウッドらしい」(もちろん、ここで私が言っているのは「いい意味」でだが)一級品の娯楽超大作だ。
 プライベートでは妻子に対する暴力事件で裁判沙汰になっているクリスチャン・ベイルだが、もはやブルース・ウェインを演じるのは彼以外にあり得ないと言いたくなるほど、彼独自のキャラクターを完全に確立させている。そして、アルフレッド、フォックス社長、それにゴードン警部補といったメイン・キャラクターを、前作に続いてマイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマンといった同じ俳優が演じているのも嬉しい。唯一例外はブルースの幼なじみレイチェルだが、私は前作のケイティ・ホームズよりも今回のマギー・ギレンホールの方が、魅力的でかつ検事という役柄にもマッチしている気がするので問題なし。
 そして、今回の作品最大の注目点は、やはりジョーカーを演じたヒース・レジャーだろう。ヘラヘラとした態度で残忍な犯罪をやってのける最凶の犯罪者ジョーカーが見事というほかないのだが、果たしてこれが演技でやっているのか、それとも地で演じているのか、彼が亡くなった状況を考えると勘ぐりたくなってしまう。死者に鞭打つようなことは言いたくないのだが、昨年9月に公開された『キャンディ』で演じたダンといいこの作品のジョーカーといい、彼が亡くなった原因を考えると、そもそも麻薬常習者であって既に人格自体に異常を来していたのではないかと疑ってしまうのも無理ないだろう。