評     価  

 
       
File No. 0805  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年07月26日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   河崎 実  
       
上 映 時 間   98分  
       
公開時コピー   この夏、人類滅亡の危機
世界の命運は“タケ魔人”に託された。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   加藤 夏希 [as 隅田川すみれ]
加藤 和樹 [as 戸山三平]
松下 アキラ [as 伊部三蔵首相]
福本 ヒデ [as 大泉純三郎元首相]
渡部 又兵衛 [as 脇谷]
黒部 進 [as 木村地球防衛軍参謀]
古谷 敏 [as 高峰地球防衛軍参謀]
夏木 陽介 [as 鳴海地球防衛軍長官]
中田 博久 [as 森川宮司]
なべ やかん [as 地球防衛軍隊員]
井上 純一 [as 河西]
森下 悠里 [as 通訳]
ビートたけし [as タケ魔人]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    北海道の洞爺湖畔に、日本の伊部三蔵首相をホストに、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、ロシアの首脳が集結してサミットが開催されている中、非常事態の発生が告げられた。札幌に巨大な宇宙怪獣が現れたのだ。ギララと命名されたその怪獣は熱エネルギーを餌とし、札幌の街を破壊すると、火の玉となって飛び去ってしまった。
 ギララがサミット会場方面に飛来する恐れがあると判断した日本政府は、サミットを中止して各国首脳を避難させようとするが、アメリカのバーガー大統領の「怪獣と戦う」という言葉に他の首脳たちも追随したため、サミットは急遽「宇宙怪獣対策本部」に名前を変え、首脳たちによる対策会議が行われることとなった。
 サミットの取材に訪れていた東京スポーツの記者隅田川すみれとカメラマン戸山三平は、偶然訪れた湖畔の神社で、村人たちが一心に踊る姿を目撃する。その村には「ある日空から現れた魔物が世界を滅亡に導こうとするが、洞爺湖の守り神タケ魔人が現れて阻止する」という言い伝えがあり、彼らはタケ魔人を呼び覚ますために踊りを捧げていたのだった。すみれもいつしかタケ魔人を信じたい一心から、村人たちと一緒になってタケ魔人の像の前で踊り祈りを捧げるのだった。
 一方、対策本部では体調不良を訴えた伊部首相に代わって会議を進める大泉純三郎元首相のもと、各国の首脳が発案した策が次々と講じられるが、すべてが失敗に終わってしまう。そして、あろうことか正体を現した大泉元首相が実は北の独裁者で、会場をジャックした独裁者はギララに向けて核ミサイル・ポテドン55号を発射してしまう。しかも、もしギララにポテドンが命中した場合、ギララの細胞が世界中に飛散して、無数のギララが生まれるという事態に陥ることが判明した。絶体絶命の危機の中、すみれたちの祈りが通じて、ついにタケ魔人がギララの前にその姿を現すのだった・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    1960年代に松竹が制作した唯一の怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』(残念ながら私は観たことがないが)を再びモチーフにした作品だが、監督があの『日本以外全部沈没』『ヅラ刑事』の河崎実とあれば、もう明々白々なパロディ作品だ。最初は劇場で観るつもりなど全くなかったのだが、劇場で予告編を観てあの北野武扮するタケ魔人というキャラクターが登場することを知り、興味を引かれて急遽劇場へ行ってみた。
 ストーリーはお約束で、まずは人間があれこれとギララを倒すために策を講じるのだが、これがまたあまりにバカバカしくて笑える。そして、『日本以外全部沈没』もそうだったが、微妙に現在の国際関係をパロディにしているあたりが面白い。まさか、北のあの人までもが登場するとは・・・・・本人が観たら激怒して本当に日本にテポドンを撃ち込んでくるのではないか?(笑)それにしても、この作品であの伝説の“コマネチ”にお目にかかれるとは夢にも思っていなかった。タケ魔人に捧げる村人たちの歌と踊りに「ねちこま、ねちこま、ねちこま、ねちこま」というフレーズがあり、それに合わせてあのポーズをとるものだから、これにはさすがに吹き出しそうになった。また、加藤夏希もよくあんな踊りを真面目に踊れるものだと、ほとほと感心。私だったらどうしても顔が笑ってしまって絶対に無理。
 それにしても、やはり北野武という人間は凄いと痛感した。「世界の北野」とまで称されてもなお、こういうバカをやれるというのは根っからの芸人なのだろう。観る者を楽しませようというその姿勢には頭が下がるものがある。