評     価  

 
       
File No. 0808  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年08月23日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   李 闘士男  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   僕がしたかったのは・・・
こんなバンドじゃない!!
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   松山 ケンイチ [as 根岸崇一/ヨハネ・クラウザーII世]
加藤 ローサ [as 相川由利]
秋山 竜次 [as 西田照道/カミュ]
細田 よしひこ [as 和田真幸/アレキサンダー・ジャギ]
大倉 孝二 [as DMCファン]
岡田 義徳 [as DMCファン]
鈴木 一真 [as アサトヒデタカ]
高橋 一生 [as 佐治秀紀]
美波 [as ニナ]
大地 洋輔 [as MC鬼刃]
大谷 ノブ彦 [as DJライカ]
宮崎 美子 [as 根岸啓子]
松雪 泰子 [as デスレコーズ社長]
ジーン・シモンズ [as ジャク・イル・ダーク]
 
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あ ら す じ    心優しく少々ナヨっぽい青年根岸崇一は、東京の大学に通うために、大分の田舎町から母啓子に見送られて上京した。崇一が東京に出てきたのにはワケがあった。彼は、オシャレな渋谷系ポップミュージシャンになることを夢見ていたのだ。そして、夢を叶える第一歩として、デスレコード社に自分のデモCDを持ち込んだのだった。
 大学を卒業した彼は、ナゼかその思惑とは正反対の音楽をやっていた。彼のやっていたバンドそれは、奇抜なメイクと演奏の悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”で、彼はDMCのギターボーカル、ヨハネ・クラウザーII世としてその筋のファンの間では絶大なる人気を博していたのだ。DMCのデビューシングル「SATSUGAI]は爆発的にヒットし、彼の本意とは裏腹にクラウザーさんはもはやカリスマ的な存在に祭り上げられていた。
 そんな彼は、ある日街中で大学時代からの憧れの存在相川由利と再会する。ところが、相川さんがCDショップで根岸が手にしたDMCのCDを見て「最低!」と吐き捨てたために、根岸の苦悩はさらに深刻さを増す。そんな根岸の弱気に対して、デスレコード社長の容赦ない回し蹴りが繰り出される。そして、ある日クラウザーさんは相川さんから面と向かって非難を受けたことをきっかけに、社長に置き手紙を残して大分の田舎へと帰ってしまうのだった。
 そんな中、世界的デスメタルのカリスマ、ジャック・イル・ダークの引退が発表され、最後に世界中のメタルバンドとバトル・ツアーを行うと言う。そして、ジャックは日本での対戦相手としてDMCを指名するのだが・・・・。
 
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たぴおか的コメント    これは予想を大きく裏切って面白かった。とにかく、出演者たちの異常なまでのハイ・テンションには唖然。松ケンはナヨナヨした根岸君と、正反対のクラウザーを見事に演じ分け、この作品でも演技の幅の広さを見せてくれている。何でも、クラウザーに入りきった勢いで、共演の加藤ローサに「アバズレのメスブタ」と罵って謝罪したとかしないとか。まぁ、これはいくら役になりきったとはいえ、さすがに行き過ぎだとは思うが、それにしてもこの作品での役に対するのめり込み方は尋常じゃないと言える。そして、この作品の松ケンのヨハネ・クラウザーII世を見るにつけ、初めて俳優という仕事がうらやましく感じてしまった。
 そして、松ケンよりもさらに驚かされたのが松雪泰子だ。おそらく本人も今までの役では得られなかった快感を全身で味わっているとしか思えない、デスレコーズ社長のキレまくった演技はもはや演技を超えている。作品中の口癖「それじゃ濡れねぇんだよ!」も凄いが、映画の完成報告会見で放送禁止用語の“Fuck!”を連呼したのには、さすがの松ケンも加藤ローサも唖然としていたとのことで、いかに異常なまでにテンションが高かったかわかる。それにしても、松雪扮する社長のアブナイ台詞の数々は、PG-15指定作品にならなかったのが不思議なくらいだ。
 ちなみに、この作品の脚本を担当したのは、あの『ネコナデ』でメガホンを取った大森美香。危ない台詞をふんだんに盛り込みながらも、上手くまとめていると思う。作品中では聞き取れなかったが、実はDMCの歌詞も社長の台詞に輪をかけてヤバイらしい。