評     価  

 
       
File No. 0810  
       
製作年 / 公開日   2007年 / 2008年08月23日  
       
製  作  国   台  湾  
       
監      督   ジェイ・チョウ  
       
上 映 時 間   102分  
       
公開時コピー   もう会うことができなくても
あなたにだけは伝えたい。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ジェイ・チョウ [as シャンルン(小倫)]
グイ・ルンメイ [as シャオユー(小雨)]
アリス・ツォン [as チンイー]
アンソニー・ツォン [as シャンルンの父]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    淡江音楽学校に転校してきたシャンルンは、翌年の卒業式の日に取り壊される予定だという旧校舎のピアノ室で、神秘的で美しいピアノを奏でる女生徒シャオユーと出会う。シャンルンが曲名を訪ねると、シャオユーは彼の耳元で「誰にも言えない秘密よ」と囁いた。そして、帰り道に雨宿りをしていたシャオユーを自転車で送ったシャンルンは、彼女が母親と二人で暮らしていることを知り、母親がいないシャンルンと父親がいないシャオユーは次第に心を通わせていくのだった。
 ある日シャンルンは、“ピアノ王子”と呼ばれる男子生徒とのピアノバトルに挑むことになる。そして、王子に負けない演奏を見せたシャンルンは、約束通り王子からピアノ曲の楽譜をもらい受けた。実はシャンルンは、その楽譜をシャオユーにプレゼントしたいがために王子にピアノバトルを挑んだのだった。翌日、シャンルンはシャオユーの自宅の屋上で楽譜をプレゼントし、二人は初めて唇を重ねるのだった。
 シャオユーは喘息持ちで学校を休みがちだった。シャンルンは、久しぶりに登校してきたシャオユーと放課後にピアノ室で会う約束を交わす。ところが、放課後にシャオユーより一足先にピアノ室を訪れたのは、シャンルンに思いを寄せるクラスメイトのチンイーだった。シャンルンはチンイーをシャオユーと間違えてキスしてしまい、折り悪くその場をシャオユーが目撃してしまう・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    台湾のスター、ジェイ・チョウが初のメガホンを取った作品で、彼が主演もこなしている。が、この作品は相手役のシャオユーを演じたグイ・ルンメイがすべてだと思う。美しく清楚で、薄幸の少女という役柄にピッタリだ。冒頭でジェイ・チョウ扮するシャンルンが女性と並んで歩いているシーンを観て、確かに相手役の女性は可愛いが今ひとつ何か足りない気がしていた。が、遅れてグイ・ルンメイ扮するシャオユーが登場したら、すぐに彼女が相手役だとわかった。それほどグイ・ルンメイはこの作品にふさわしいイメージを持った女優だ。そして、もう完全に彼女に見入ってしまい、気がついたら彼女にしか目が行かなくなってしまっていた。
 前半はシャンルンとシャオユーが出会って互いに惹かれ合う様子が描かれているが、どこか秘密を抱えているシャオユーが気になって仕方なく、その秘密が後半で明らかになる。ストーリーはそこから急転直下現実から幻想へと転じるのだが、その急激な変化に違和感を感じるかもしれない。けれども、それまで隠し通してきた謎が堰を切ったように一気にあふれ出すような展開は、私にはむしろ自然に思えた。決して派手さはないものの、ピアノをモチーフに描かれた悲しくも美しい物語だ。