評     価  

 
       
File No. 0817  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年09月06日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マーク・レヴィン  
       
上 映 時 間   96分  
       
公開時コピー   人生なんて、たった1行で変えられる。  

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   アビゲイル・ブレスリン [as ニム・ルソー]
ジョディ・フォスター [as アレクサンドラ・ローバー]
ジェラルド・バトラー [as アレックス・ローバー/ジャック・ルソー]
アンソニー・シムコー
クリストファー・ベイカー
マイケル・カーマン
マディソン・ジョイス
 
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あ ら す じ    太平洋上の無人島で生物学者である父ジャックと2人で暮らす11歳の少女ニムは、冒険小説の主人公アレックス・ローバーの大ファンだった。ある日、新種のプランクトンを探すためにジャックが船旅に出る。トドのセルキーやトカゲのフレッドらの友達と一緒に留守番をするニムは、ジャックのパソコンに届いたメールの送信者名に“アレックス・ローバー”とあるのを見て大喜びする。
 サンフランシスコでアレックス・ローバーの冒険小説を執筆するベストセラー作家アレクサンドラ・ローバーは、小説の主人公とは似ても似つかぬ極度の対人恐怖症で潔癖症の引きこもりだった。新作の筆が進まない彼女は、孤島の火山の麓で暮らす海洋生物学者ジャックの記事に目を留めた。そして、ジャックから新作のアイデアの協力を得ようとして、アレクサンドラはジャックにメールを送信した。ニムが見た“アレックス・ローバー”からのメールが、そのメールだったのだ。
 その夜、島近辺を激しい嵐が襲い、ジャックの船は通信機が破壊されてニムとの通信が不能になってしまう。そして次の日、奇妙な風体の男たちが島に訪れ、しまに観光客を集めようと話しているのをニムは目撃してしまう。ジャックと2人だけで平和に暮らしていた島が荒らされてしまう、そう感じたニムは、“アレックス・ローバー”宛に助けを求めるメールを送信するのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    どうして日本の映画界はジョディ・フォスターを前面に出したがるのだろうか?オフィシャル・サイトもキャストのトップは彼女だし、チラシだってどう見ても彼女が主演としか思えない。ところが、作品を実際に観てみると、どうしても彼女が主演というのに疑問を感じずにはいられなくなった。それほどアビゲイル・ブレスリンの一人舞台のような作品なのだ。そして、案の定エンド・クレジットではジョディではなくアビゲイルがトップだった。
 アビゲイル・ブレスリンといえば、鮮烈なイメージを焼き付けたあの『リトル・ミス・サンシャイン』が記憶に新しい。以後、『幸せのレシピ』に続いてこの作品を観るにつけ、彼女の演技力が確かなものであることを見せつけられてきた。同世代で天才子役と謳われたダコタ・ファニングが、『シャーロットのおくりもの』以来主演が途切れている今、ダコタに取って代わらんばかりの勢いを感じる。また、ジョディ・フォスターが極度の潔癖症で引きこもりの作家をコミカルに演じているのが面白い。ニムの父親役と小説の主人公の2役を演じたジェラルド・バトラーも、『オペラ座の怪人(2004)』とは全く違う一面を見せてくれている。
 ただ、作品自体は今ひとつ盛り上がりに欠けるきらいがある。ジョディ扮するアレクサンドラが島にたどり着き、ジェラルド扮するジャックが嵐から生還して“THE END”では、少々物足りなく思えるのもやむを得ない。ラストでやっと邦題の意味が明かされ、ニム、アレクサンドラ、ジャックの仲むつまじい姿から、3人の共通の未来を想像させるのは悪くない終わり方だった。