評     価  

 
       
File No. 0828  
       
製作年 / 公開日   2008年 / 2008年09月20日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   蜷川 幸雄  
       
上 映 時 間   123分  
       
公開時コピー   19歳、痛みだけがリアルなら
痛みすら、私の一部になればいい。
 

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最初に観たメディア  

Theater

Television

Video
 
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キ ャ ス ト   吉高 由里子 [as ルイ]
高良 健吾 [as アマ]
ARATA [as シバ]
あびる 優
ソニン
市川 亀治郎 [特別出演]
井手 らっきょ [特別出演]
小栗 旬 [特別出演]
唐沢 寿明 [特別出演]
藤原 竜也 [特別出演]
 
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あ ら す じ    何の目的もなく単調な日々を送るルイは、ある日クラブで赤毛のモヒカンで顔中にピアス、背中には龍の刺青を入れた青年アマから声をかけられる。「スプリットタンって知ってる?」。そして、口を開けて見せたアマの舌は、まるで蛇のように先が割れていた。その舌を見た瞬間、ルイは自分でも訳のわからないまま、そのスプリットタンに激しく心を奪われたのだった。そして、そのままアマの部屋へなだれ込んだ2人は体を交え、その日からルイはアマの部屋に入り浸るようになる。
 スプリットタンへの手始めに舌にピアスをあけるため、ルイはアマに連れられ怪しげな香を焚いた店を訪れる。スキンヘッドの店長シバは、アマに輪をかけて顔中にピアス、全身に刺青という異様な風貌の彫り師だった。シバにピアスの穴をあけてもらったルイは唐突に、自分の体にも刺青を入れてみたいという抑えることのできない強い衝動に駆られるのだった。そして、アマの背中の龍と、シバの右腕の麒麟を合わせたデザインをシバに頼むのだった。
 麒麟と龍の刺青をシバに彫ってもらう決意をし、その代償としてアマには内緒でシバに抱かれるルイ。生きる意味を見つけられずに、ただ日常に流されて生きるだけだったルイにとって、ピアスと刺青が与えてくれる痛みだけが、唯一生きている実感を与えてくれた。しかし、それ故に刺青を掘り終えて痛みから解放されたルイは、再び生きている実感のない、刺青を掘る前よりもさらに生きる意志を失った怠惰な日常へと墜ちていった。ところが、そんなある日アマが行方不明になる。そして、シバと共に警察に捜索願を出した矢先、シバの携帯に警察から連絡が入る・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    弱冠20歳の作家・金原ひとみがデビュー作で芥川賞を受賞したという金原ひとみの同名小説を、作者本人のラブコールで蜷川幸雄がメガホンを取って映画化した作品。原作は女性読者の圧倒的な支持を得ているらしいが、男性でありかつ原作を読んでもいない私にとっては、ただただ「イタイ世界」にしか写らなかった。ピアスを否定するワケじゃないけど、さすがにアマの顔を最初に見た時にはちょっとビックリ、さらにシバの顔を見た時はかなりビックリ。あんなピアスだらけじゃ、日常生活でも何かに引っかかったりして痛いんじゃない?なんて余計なことまで考えてしまう。
 主演の吉高由里子は、てっきりこの作品でデビューかと思ったら、実はつい最近『きみの友だち』で既にお目にかかっていたらしく、再度『きみの友だち』のオフィシャルサイトを見て思い出した。ちょっと前に女子高生役で全く違和感を感じさせなかった彼女が、この作品では醒めて退廃した生き方のルイを演じるのだから、女性の変貌する様にはただ驚くしかない。ちょっと舌足らず気味のしゃべり方は、可愛いと思うか役柄に似合わないと思うか、意見が両極端に分かれる気がする。